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「全国1位になったことは喜ばしいことですが、どうやって首位になったかと聞かれると……。なぜでしょう」

 

寝たきりや認知症にもなっていないーーそんな“健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間”を示す「健康寿命」で、愛知県の女性は、76.32歳で全国1位(厚生労働省調べ・’16年時点)に。全国平均の74.79歳を大きく上回った。

 

この愛知女性の元気の秘訣を探ろうと愛知県庁の「健康対策課」の担当者に話を聞いても、首をかしげるばかり。

 

「’87年から、栄養管理や病気の知識、体操などを指導する市民ボランティア『県健康づくりリーダー』を養成し、地域レベルから健康増進に取り組んできたことが実ったのかもしれません。それ以外にほかと比べて特別な健康啓発をしているわけではありません。しかも、1日の野菜の摂取量は、愛知県は男女とも最下位ですから……」

 

生活習慣や食生活、医療サービスの充実などが大きく影響する「平均寿命」では全国32位(’15年分)の愛知県の女性。どのようにして“健康寿命日本一”に上り詰めたのだろうか。

 

「愛知県人の気質が関わっているのかもしれません」

 

こう分析するのは、『名古屋はヤバイ』(ワニブックスPLUS新書)の著者である“県民性博士”の矢野新一氏。

 

「江戸時代に、今の愛知県西部を治めた尾張藩は財政難のため庶民に“勤倹貯蓄”を奨励しました。それが現在まで息づいて、お金にシビアな人たちが多いのです。食事でも“一安二量三味”というこだわりがあり、安いことが最優先。さらに見栄えよりも、実質価値を重視し、すべてにおいて“損得”で考える気質が強いのも特徴。単なる寿命より、元気で長生きする“健康寿命”を延ばしたほうが、おトクだと考えてもおかしくはありません」

 

健康寿命トップの秘密は、もしかして“人生観”?

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