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「夜中に尋常じゃない痛みに襲われて、胃に穴があいたんじゃないかと思ったほど。私、痛みにはかなり強くて、歯の治療なんかまったく平気なんです。でも、あの痛みだけは二度と経験したくないですね」

 

こうアニサキス食中毒の恐怖を語るのは、元バレーボール選手でタレントの益子直美さん(52)。アニサキスとは、サバやイカ、アジなどの魚に潜む寄生虫だ。そのすみかは主に内臓だが、鮮度が落ちてくると筋肉、つまり刺身として食べる部分に移動する。

 

益子さんがアニサキスに感染したもの、刺身が原因。’13年夏、テレビ番組のロケのため、撮影スタッフらと東北の海岸に近い旅館に泊まったときのことだ。

 

「ロケ前日の夕食の席で、新鮮なしめサバが出たんです。それをいただいた後、夜になって急激にみぞおちのあたりが痛みだしました。気絶寸前の、差し込むような痛みです。胃薬を飲んだら、よけい痛くなって焦りました。安静にしていればそこまで痛まないのですが、水を飲んだりして胃腸に刺激を与えると激痛に変わるんです。今思えば、刺激を受けて、アニサキスが胃の中で暴れまわっていたのかも……」(益子さん)

 

益子さんは、痛みに耐えながら翌日のロケを敢行し、その後、病院に転がり込んだ。

 

「血液検査、エックス線検査、CTスキャンとひととおりの検査をしましたが、すべて異常なし。最後に『もしかしてアニサキスかもしれない』と言われて、胃カメラをのむことになりました」(益子さん)

 

アニサキスの疑いがある場合、専用の胃カメラを挿入し、発見次第、その先端についた鉗子で摘出する。摘出さえできれば、激痛もすぐにおさまるという。

 

「口から胃カメラを挿入されて、ここにもいない、あそこにもいないと、ひたすらアニサキスを探します。私の場合は麻酔なしの治療だったので、吐きそうな不快感に耐えなければならず、涙が出るほどつらかった。ようやく見つかって、摘出できたときは本当にホッとしました。ただ、治療の後に胃の中を消毒するのですが、その影響で数日下痢が止まらず、これも大変な目にあいました」(益子さん)

 

この厄介なアニサキス、どうにかして予防する方法はないのだろうか。日本獣医生命科学大学客員教授で、食品衛生コンサルタントとしても活動する池亀公和さんに聞いた。

 

「アニサキスは体長2〜3センチほどの線虫なので、肉眼で発見できます。刺身を食べるとき目でよく確認するのが、一番の予防法ですね。厚手の刺身で表面から見えないところにいた場合、見つけるのは難しい。一度冷凍されたもののほうが安心ですね」(池亀さん)

 

アニサキスに懲りた益子さん、しばらくの間、刺身は食べない! と誓ったそうだが……。

 

「その1週間後には、またしめサバ食べちゃいました(笑)。ただ、刺身は信頼しているお店で食べる、食べる前に目でよく確認する、という2点は心がけています」(益子さん)

 

夏に増えるというアニサキスの感染。お刺身には要注意!

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