なんだか最近、体にちょっとした違和感を覚えたり、歩くのがつらかったり。ひょっとしたら、神経が圧迫された状態になりつつあるのかもしれない――。

 

「『脚にしびれや痛みがある』『長く歩くとつらい』、こうした症状は脊柱管狭窄症、もしくはその前兆かもしれません。『もう年だから』と諦める前に、どんな病気なのか知っておくことが大事です」

 

そう語るのは、参宮橋脊椎外科病院の大堀靖夫先生。近ごろ、よく耳にする脊柱管狭窄症。どんな病気なのだろうか? 大堀先生が解説してくれた。

 

■背骨の神経の通り道が狭くなることで、痛みやしびれなどのトラブルが……

 

脊柱管を通る神経が、腰椎の変形や、靱帯が厚くなることで圧迫され、お尻から脚にかけて痛みやしびれが起きる。脊柱管狭窄症には、神経の束が圧迫される「馬尾型」、そこから腰や脚などに出ていく部分が圧迫される「神経根型」、両方が圧迫される「混合型」がある。

 

「脊柱管とは背骨に沿ってのびるトンネルのようなもので、中には神経が通っています。加齢とともに脊柱管が狭くなり、神経が圧迫され、痛みやしびれが出るのです。活動的なシニアが増えたことから、注目されている病気です」(大堀先生・以下同)

 

■主な原因はズバリ「加齢」

 

最大の要因は加齢で、50代後半から増え、70代になると10人に1人の割合で症状がみられる。ほかに、重いものを持ち上げたりする機会の多い仕事をしていたなど、腰に負担がかかる生活をしているとリスクが高くなる。生まれつきの背骨の構造が影響することも。

 

■キーワードは「間欠跛行」

 

「腰痛はひどくなく、背筋を伸ばして立ったり、歩いたりすると、脚にしびれや痛みを感じるのが特徴です。前かがみになるとラクになり、また歩けるようになる『間欠跛行』という症状を自覚して病院を訪れる患者さんが多いです」

 

歩いていると脚のしびれや痛みがだんだんとひどくなり、それ以上歩けなくなる。まえかがみの姿勢をとったり座ったりすると治まり、再び歩けるようになる。患者の7割にみられる。

 

気がかりなのは脊柱管狭窄症が、運動機能が低下する「ロコモティブシンドローム」を招くことだ。

 

「問題は歩けなくなること。体が動かしづらくなるため、ひきこもりがちになり、活動量が落ちるため筋力も低下します。運動不足やストレスから生活習慣病やがん、うつや認知症などさまざまな病気につながることも。足腰が弱くなることで、寝たきりや要介護のリスクも高くなってしまうのです」