「血圧はどういうときに上がって、どういうときに下がるのか。その変動を計測しているうちに、何が本当に血圧を下げる方法なのかわかってきました。高血圧に悩む患者さんたちがなるべく薬に頼らないで、永続的に血圧を下げて、安定させる“最強の方法”を見つけたのです」
そう語るのは“ミスター血圧”こと、前東京女子医科大学医学部教授の渡辺尚彦先生。渡辺先生は、自分の血圧を30年以上、毎日24時間、入浴中以外ずっと測り続けている。データをもとに実験をしながら、血圧を下げる方法を突き止め、1冊にまとめた近著『血圧を下げる最強の方法』(アスコム)が話題だ。
「世の中でヘルシーといわれている食べ物が、血圧にとってよくない、健康法だと思っていたことが実は危険だった、ということがあります。血圧にとってよい方法は何かを知ってほしい」(渡辺先生・以下同)
そこで今回、三択クイズ形式で、血圧を下げる飲み物や食べ方などについて教えてもらった。クイズに答えて、正しい知識を得よう!
【Q】飲むなら……
(1)杜仲茶
(2)緑茶
(3)コーヒー
【正解】1・杜仲茶
ふだんの生活のなかで、ジュースやお茶、コーヒー、お水などさまざまな飲み物を口にする。飲めば確実に血圧を下げるのが杜仲茶。
「中国原産の杜仲の葉を煎じたお茶で、ゲニポシド酸と呼ばれる物質が含まれています。これがリラックスしているときに働く副交感神経を活性化させ、血管の筋肉である平滑筋を緩めて血管を広げます。さらにゲニポシド酸には動脈硬化を防ぐはたらきもあり、ダブルの効果で、血圧が下がるのです」
飲みすぎてもノンカフェインなので安全。一方、カフェインを含む緑茶やコーヒーは、飲みすぎると血圧を上げてしまうこともあるので注意。
【Q】お酒は……
(1)冷たいビール
(2)冷えた白ワイン
(3)ぬるめの日本酒
【正解】3・ぬるめの日本酒
お酒の飲み方にも、血圧の上げ下げに影響が出てくるという。
「急激な温度の変化は交感神経を強く刺激するので、血圧が一気に上がって脳や心臓の障害を招きます。“ヒートショック”といい、皮膚よりも体内で感じる温度差のほうが、受けるダメージは重く、冷たい飲み物の流し込みは、食道の近くにある心臓に負荷を与えるので危険です」
冷たい飲み物を飲むと、末梢血管が収縮して、血圧が上がるので注意が必要。お酒を飲むときは人肌ぐらいのぬるめの日本酒にしておこう。
【Q】減塩をするタイミングは……
(1)朝食
(2)昼食
(3)夕食
【正解】1・朝食
一般的に、血圧は朝起きてから上がり始め、昼間の活動時間は高く、夜寝ているときに下がっていく。目覚めるとともに、体内でいろんな“スイッチ”が入る。
「起床前後は、血圧を上げるホルモンがたくさん出てきます。特に、アルドステロンというホルモンは、ナトリウムを体のなかにため込む作用があるので、朝食は塩分を控えめにしたほうがいい。私はフルーツグラノーラ1食分に牛乳をかけて食べることを推奨しています」
塩分は0.5グラム程度に抑えられるという。