お金と同じで、筋肉も十分な蓄えがないと、老後がとても不安に……。破綻してしまわないよう、今から老後に必要な“筋肉貯金”を蓄えよう!

 

「今や人生100年時代に突入しましたが、日常生活を支障なく過ごせる“健康寿命”は平均寿命より10~15年短いです。高齢者が自立した生活を送ることが困難となってしまう原因には転倒や関節疾患などがありますが、それらのリスクは筋力が高ければ和らげることができます。すなわち、健康寿命を延ばすには、筋肉の老化を防ぐことが不可欠なのです」

 

こう語るのは、近畿大学生物理工学部准教授の谷本道哉先生。8月27~30日に放送され話題になった『みんなで筋肉体操』(NHK総合)の指南役を務めて注目を浴びた筋肉のエキスパートだ。

 

「’02年に鹿屋体育大学前学長の福永哲夫先生が、筋肉を蓄えることの重要性を“貯筋”という表現で提唱されました。近年は“筋肉貯金”という言い方が定着しています。老後に備えて、お金だけでなく、筋肉量もきちんと貯めておくことが、いくつになっても快適に過ごせることにつながっていきます」

 

筋肉量は30歳前後をピークに減り始め、50~60代で急激にそのスピードが増す。体重を支える太ももの筋肉では80代の平均はピーク時の半分にまでなってしまうという。加齢による筋肉量の低下は、要介護のリスクになると谷本先生は警鐘を鳴らす。

 

「ただし、筋肉は何歳から鍛えても増えてくれる頼もしい存在。日ごろまったく運動の習慣がない人であっても、今からでも、“筋肉貯金”を立て直すことが可能です」