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「私はこれまで医学部時代から十数年、医療の世界に身を置いていますが、適切な診療能力や治療能力を持たない“ヤブ医者”が多いことに心を痛めてきました。現役の医者の約3割がヤブ医者と言っても過言ではないのです」

 

そう啓発するのは、関節リウマチと膠原病を専門とする内科医の金子俊之先生。あるとき、金子先生が特に危機感を抱いた出来事があったという。詳細はこうだ。

 

関節リウマチで手足がパンパンに腫れた30代半ばの女性が、金子先生のクリニックに来院した。その女性は東京に移住してきたが、大阪在住時に通っていた病院の医者から「3カ月に一度は戻って来なさい。手術しなくては治らない」と言われたというのだ。

 

「まず、患者さんが移住したのなら、紹介状を書くのが普通です。高度な治療を施しているならまだしも、その医者は時代遅れも甚だしい治療をしていました。しかも、そもそも治療ガイドラインに則した治療をしていれば、関節リウマチは手術をしなくても済むのです」

 

患者を手放さずに金もうけに走るうえ、勉強もせず間違った治療をしている医者に対し、金子先生は怒りを覚えたそう。

 

「私はとても腹が立ちました。このような悪質な医者はほかにもたくさんいて、患者さんが苦しむ羽目になる。多くの方にヤブ医者を見極める方法を知っておいてもらいたいと思ったのです」

 

そんな“ヤブ医者”に引っかからないために、金子先生にわかりやすい8つのポイントを教えてもらった。

 

■スリッパを履かせる

 

「足先は水虫を引き起こす白癬菌の温床になります。多くの患者さんが出入りする病院で、スリッパを履き回すなんてナンセンス。スリッパを紫外線で消毒したとしても、白癬菌が死滅する可能性は極めて低いでしょう。本来なら健康を守るべき医療機関が、逆に感染を助長するなんてありえないことです」

 

■待合室に張ってあるポスターが古い

 

「ポスターが古くてボロボロの場合、最新の医療知識を発信する気がないも同然。何年も前にテレビや雑誌に取材された記事など、ただ壁の隙間を埋めるためだけに患者さんに必要のない情報を掲示する病院は、ヤブ医者が経営していることが多いでしょう」

 

■4個以上の診療科目を掲げている

 

「地方の医療過疎地で医者がいない場合なら仕方ありませんが、開業医が大勢いる東京などの都市で、わざわざ4個以上の診療科を標榜している病院は、集客を目的としているだけ。特に小児科は専門医でないと診られない特殊な分野。子どもは小さな大人ではありません。ですから、4つ以上の診療科目のうち、小児科も入っているような個人経営の病院には注意が必要です」

 

■ホームページがない

 

「診療時間や治療内容、医者の経歴など、最低限の情報発信はするべき。ホームページはあって当然で、ないほうがおかしいです。ホームページのない開業医は旧態依然としていて、やる気のないヤブ医者の可能性が高いですね」

 

■愛想がなく、態度が悪い

 

「基本的にきちんと診断できて、最新の治療を行えれば、医療に愛想はいりません。ただ、結果論になりますが、患者さんに向き合って治療している医者は、愛想もいいし、患者さんを励ますような言葉をかけている傾向があります」

 

■太っている

 

「自己管理ができず、正しい生活習慣を送れていない医師に、良質な医療を提供することはできないでしょう。異常に太っているなど不摂生がうかがえる医者、爪が伸びている、髪がボサボサなど身だしなみを整えられない医者に、腕のいい医者はいません」

 

■風邪に抗生物質をすぐ出す

 

「抗生物質は、細菌を撃退するもので、風邪などのウイルスを撃退するものではありません。むやみに抗生物質を使うと、耐性ができてしまい、本当に細菌を撃退したいときに、効かなくなってしまうリスクがあります。明確な意図がない限り、風邪に抗生物質を処方する医者は、100%ヤブ医者です」

 

■必要以上に来院させる

 

「『国の決まりで薬は2週間分しか出せない』などと嘘をつき、必要もないのに通院の回数を増やそうとするヤブ医者がいまだにいます。患者さんを拘束し、金もうけに走るなんて、医療に従事する資格はありません」

 

以上の項目に当てはまるような、勉強しない、プライドが高い、金もうけに走る医者は、ヤブ医者の可能性が高いのだ。良質な医療を受けるためにも、自分自身でヤブ医者をきちんと見極めよう!

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