(提供:株式会社HIROTSUバイオサイエンス) 画像を見る

痛い、費用が高い、そもそも見つけにくい……。多くの問題を抱えていた従来のがん検査。それを次々とクリアするような技術が開発され、これからは「早期発見・早期治療」が限りなく可能な時代へ!ーー。

 

1月6日、たった1滴の「尿」から、がんの有無を見分ける検査法がついにスタートした。その検査法とは、線虫の一種である「シー・エレガンス」という体長約1ミリメートルの生物の嗅覚を利用した「N-NOSE」だ。

 

この線虫には、犬の約1.5倍の嗅覚がある。資料写真では、シャーレにがん患者の尿を垂らしたところ、その尿に向かって線虫が集まっていく様子がとらえられている。この線虫、健常者の尿からは逃げていくという性質を持っている。

 

「早期がんを含むがん患者と健常者の尿を採取し、計1,368名を対象にした基礎研究を行ったところ、ステージ0〜1のがん患者を85%、ステージ4で91.7%の確率で見分けるという結果を得ました」

 

こう語るのは「N-NOSE」を運営、事業展開するHIROTSUバイオサイエンス広報担当・永溝はるかさん。現在、線虫が反応することがわかっているがんは15種類(胃、大腸、肺、乳、膵臓、肝臓、前立腺、子宮、食道、胆嚢、胆管、腎臓、ぼうこう、卵巣、口腔・咽頭)。

 

開発したのは、同社代表の広津崇亮さん。同氏は、九州大学大学院の助教時代に、線虫ががん患者の尿の臭いをかぎ分けることを証明した生物学者。’16年に実用化に向けて独立し、同社を設立した。

 

生物によってがんの有無を診断するのは「N-NOSE」が世界初の技術だというが、私たちもこの検査を簡単に受けることができる。

 

まず、「N-NOSE」を導入している医療機関や検診センターに、検査の申し込みをして尿を提出する。そして、HIROTSUバイオサイエンスの検査センターにて、その尿を使って線虫検査が実施され、2週間後にがんの有無が報告されるという、非常にシンプルなシステムだ。

 

「N-NOSE」のメリットは、その簡単さだけでなく、費用面にもある。検査費用は、9,800円(税別・保険適用外)。薬剤を体内に投与して全身のがんを検査する「PET検査」の場合、10万円前後の費用がかかるのに対し、こちらはかなり格安といえるのだ。

 

今回の実用化にあたり、すでに法人や健康保険組合などからの問い合わせが殺到しており、一般対応は1月中旬以降、同社のホームページ上で、取り扱い施設を順次公開するとのこと。

 

現状では、この検査はがんの有無の判別にとどまるが、’22年を目標に、まずは膵臓癌の特定を目指しており、実用化に向けてすでに実証実験に取り組んでいるそう。

 

「早期のがんにも反応するので、リスクが高いという結果が出ればこれまで検診に行かなかった方も受けようと思うはず。そういう流れを作る検査になっていけばよいと考えております」(永溝さん)

 

初年度で25万検体を目標にしており、今後は国内だけでなく、海外でも事業展開していく予定だ。健康診断のオプションで検査が受けられる日も近いかも。

 

「女性自身」2020年1月28日号 掲載

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