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「日本人の平熱は60年前より1度ほど下がりました。これが、アレルギー疾患や生活習慣病が増えた原因のひとつだと考えられます」

 

そう話すのは、体温と健康の関係に詳しい石原新菜先生。なぜ平熱が下がったのか、そして、そもそも平熱とは何度なのだろう。

 

「私たちの体がいちばんよく働く体温を平熱といい、36.55~37.23度が理想的。これはわきの下で測った場合で、口内だと0.5度ほど高く測定されます。測るタイミングは、朝10時がいいでしょう。平熱が下がった要因は、おもに食や生活習慣の変化とストレスです。平熱が低いと血流が悪化して免疫力が下がり、さまざまな不調が起こります。特に女性は低体温の人が多く、35度台の人も。まずは、36.5度をめざしましょう」

 

ちょっとした習慣を見直せば、2週間で確実に0.5~1度は上昇するという。

 

【平熱を上げるための食習慣】

 

■朝食に「にんじん・りんごジュース」

「平熱が低くなる原因のひとつが血液の汚れで、その大きな要因が食べすぎ。解消するには空腹の時間を作ることが大切です。朝は、いわば“プチ断食”状態である睡眠後の、絶好の排出時間。目覚めたての胃腸にもやさしく、朝必要な栄養成分を過不足なく補える、にんじんとりんごのジュースが最適です。ただし、氷を入れるのは避けて」(石原先生・以下同)

 

■水をやみくもに飲まない

「平熱が低くて血流が滞っていると、せっかく飲んだ水も全身にめぐらず、たまるばかり。その水分が体の冷却水となり、さらに体温が低下する悪循環が生まれ、むくみの原因にもなるなど、いいことはありません。量ありきでやみくもに飲むのではなく、飲みたいと感じたとき、汗をかいたときに、必要に応じて飲むようにしましょう」

 

■塩分をきちんととる

「悪者にされがちな塩分ですが、新陳代謝を高めて体を温めるという大切な働きも。寒い地方の人が塩分の強い保存食を食べた理由も、そのひとつです。塩分をひかえるべき持病がない限り、むやみに塩分を怖がらなくても大丈夫。ただし、適度な汗で塩分をため込まないようにし、精製塩ではなく、ミネラルたっぷりの自然塩を選んで」

 

■毎日みそ汁を飲む

「温かいスープを飲んで、内側から胃腸を温めるのも効果的。特におすすめなのはみそ汁です。最近の研究で、発酵食品であるみそに含まれる成分では、血圧が上がらないことがわかってきましたし、そもそも野菜や海藻類を入れれば余分な塩分は排出されるので、体を温める塩分の供給源として優秀です。具材をたっぷり加えましょう」

 

さっそく今日から実践し、気になる不調を解消しよう。

 

「女性自身」2020年2月25日号 掲載

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