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「お通じはあるけど、なんだかスッキリしない」「更年期に入って便秘になった」など、40代以降の多くの女性たちを苦しめる便秘の症状。更年期を迎えると、ホルモンの分泌が乱れて交感神経が過敏になる。同時に副交感神経の働きが悪くなると、便を押し出すぜん動運動が鈍くなり、便秘を招きやすくする。

 

「腸の機能が弱まり便秘が続くと、老廃物や有害な毒素が体内にとどまってしまうため、大腸がんをはじめ重篤な病気のリスクが高まってしまいます。また、腸には病原細菌やウイルスを除去する働きがあり、この機能が衰えると、肌トラブルや免疫力の低下などを招くことにつながります」

 

そう話すのは、松生クリニックの松生恒夫院長。これまで5万人以上の患者さんの腸を診察してきた松生院長は、全身の健康を保つために腸内環境を整えることの大切さを強調する。

 

’12年にアメリカ・メイヨー医科大学が発表した、ミネソタ州に住む人約4,000人の15年追跡調査でも、慢性的な便秘がない人は生存率が高く、便秘などで腸の働きが悪い人は寿命が短い傾向が確認されたという。

 

クリニックを訪れる患者さんに、便秘の対処法として松生院長がまず薦めるのは食事内容を見直すことだ。

 

「腸の内側のひだのなかには、約500種類、合計100兆個の細菌が存在するといわれ、フローラ(お花畑)と呼ばれる腸内細菌叢を構成しています。細菌には善玉菌、悪玉菌、日和見菌があり、日和見菌は状況に応じて善玉菌や悪玉菌に加勢します。腸にやさしい食材を積極的に取ることで善玉菌を増やすようにすると、便秘の症状も改善することが多いのです」(松生院長・以下同)

 

この善玉菌を増やすための“最強食”と松生院長が太鼓判を押すのが「納豆にオリーブオイルをかけて食べる」ことだという。

 

「発酵食品である納豆は私も週に数回食べていましたが、正直なところ、それが排便を促進するという実感は得られませんでした。あるときふと、大さじ1杯程度のエクストラバージンオリーブオイルを納豆にかけてよく混ぜて食べてみたところ、思いのほかおいしくて。毎日夕食時に食べるようになったのです。それ以降、私自身は便秘知らず、いまではオリーブオイル納豆を外来の患者さんにも薦めています。腸は消化・排せつの役目を担っていますが、冷えなどの原因からこれらの機能が衰えてしまう状態を“停滞腸”といいます。この停滞腸の改善にとっても、オリーブオイル納豆は効果を発揮してくれます」

 

健康の基本は腸内環境から。長生きするためにも、オリーブオイル納豆をはじめてみよう!

 

「女性自身」2020年2月25日号 掲載

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