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新型コロナウイルスの猛威が、拡大している。3月29日に志村けんさんが亡くなり、新型肺炎の恐怖を身近に強く感じた人も多いのではないだろうか。また、緊急事態宣言により自粛モードに拍車がかかることも予想される。「そうなると、経済的に困窮する人がますます増えてくるでしょう」と話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。そこで、国の支援について荻原さんが解説してくれたーー。

 

■自営業やフリーは無利子・無担保で80万円まで融資可能に!

 

世界的にみても、アメリカでは3月28日からの1週間で約665万人が失業保険を申請。これは前代未聞の記録です。また、6月までにアメリカの失業率が30%を超える、世界ではリーマン・ショック超の約2,500万人が失業するなど厳しい予測が続きます。

 

日本でも、新型コロナウイルスの影響で解雇や雇い止めになる方が、1,000人を超える見通しです(3月31日・厚生労働省)。

 

こうした事態を受け、国はまず、学校の休校措置に伴う休業補償を行いました。子どもの世話で休む社員に有給休暇を与える会社を対象として、1人当たり1日最大8,330円を補助するものです。

 

ただ当初、休業補償の対象は会社員だけ。自営業者の運転資金には無利子・無担保の融資を始めていましたが、フリーランスに補償がない状況に世論が反発しました。

 

ほどなくフリーランスにも補償を広げたものの、日額はわずか4,100円。それも休校措置に伴うもの限定で、イベント自粛などへの補償はなく不満は募っています。

 

そんななか、国はやっと、3月25日から「個人向け緊急小口資金等の特例」として無利子・無担保の生活資金融資を始めました。対象はコロナ関連で困窮するすべての方で、仕事が激減したフリーランスや雇い止めにあった非正規社員、休業を余儀なくされた自営業者なども生活資金を借りられます。

 

融資制度は2つあり、いずれも無利子・無担保です。1つは休業などで一時的にお金が必要な方に最大20万円。返済期限は2年です。

 

もう1つは失業などで、生活に困窮している方向けです。2人以上の世帯なら月20万円まで、単身者なら月15万までを3カ月間借りられます。たとえば夫婦なら、3カ月で最大60万円の融資が受けられ、返済期限は10年です。

 

しかも、これらは併用できるので、融資額は最大80万円です。

 

さらに返済期限時にまだ困窮が続いていれば、返済が免除されます。もちろん生活が安定し返済するのがいちばんですが、万が一の場合の返済免除は安心ですよね。手続きは地域の社会福祉協議会が窓口です。混雑が予想されるので、まずは電話でお申し込みを。

 

イギリスはフリーランスなどに、月約33万円を上限に所得の8割を補償すると発表。ドイツやフランスなどの支援策と比べても、日本はフリーランスや小規模な自営業者への支援が少なすぎます。

 

また、4月3日には所得が減少した世帯限定で、1世帯当たり30万円の現金給付が発表されました。支援策も随時追加され変わっていくと思いますが、とにかく一刻も早く、手厚い支援が必要です」

 

「女性自身」2020年4月21日号 掲載

経済ジャーナリスト

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