顔が蒸れる、暑い、息苦しい! コロナ予防のためにマスクが大切なのはわかるけど、夏にマスクを着け続けるのは負担が大きい。お肌をいたわりつつ、適切にマスクを外せる場面を皮膚科の先生に教えてもらいましたーー。
「マスク着用により、肌が荒れる人が増えています。肌の大敵は主に日焼けと摩擦と乾燥ですが、マスクを長時間着用すると、肌に摩擦と乾燥をもたらしてしまいます」
そう教えてくれたのは、内科・皮膚科医の友利新先生。コロナ禍により、マスク着用が重要視され、マスクをしていない人を非難する“マスク警察”まで現れる昨今。しかし、長時間のマスクが原因で、肌に赤みやかゆみ、吹き出物などができてしまうこともーー。
「まず、マスクによる摩擦についてですが、肌が擦れて炎症が起こると、肌のバリア機能が低下します。本来なら外的刺激から肌を守り、肌の水分をキープしてくれる働きですが、この機能が低下すると、肌が乾燥し、外的刺激により吹き出物ができやすくなってしまうのです」(友利先生・以下同)
ほかにもマスクの弊害が。熱中症のリスクも高まってしまうのだ。
「医学的な論文や統計などのデータはまだありませんが、確実に熱中症のリスクは高まるでしょう。マスク着用により呼吸が浅くなり、呼吸数が増加します。体温自体も上昇。マスク内が蒸れているので、喉の渇きもわかりづらくなります。特に高齢者は注意が必要です」
肌荒れを改善させ、熱中症のリスクを低減させるためには、マスクの着用時間を短縮するしかない。新型コロナウイルスに感染するのは飛沫と接触だという基本を理解して、マスクを外すタイミングを見極めることが大切だ。
それでは、いつ、どんなときにマスクを外せばいいのか。友利先生に、マスクを外していい6つのパターンを提示してもらった。
【1】家族と過ごすとき
「寝食を共にしている家族といるときは、マスクは外していいでしょう。家にいるのに一日中マスクを着け続けるのは、過敏かもしれません。車移動中も家族のみならマスクは外してOK」
【2】ひとりで外にいるとき
「犬の散歩やウオーキングなど、ひとりで誰とも話さずに外にいるときには、マスクはしなくても大丈夫です。ただし、ご近所さんなどと立ち話する可能性もあるので、マスクは持ち歩いておきましょう」
【3】屋内外で他者と2メートルの距離が確保されているとき
「映画館では席の前後左右に人を座らせないようにして、3密を避ける対策がとられています。映画中は話さないため、マスクをする必要はないと思います。ほかにも、公園や街中でソーシャルディスタンスが確保される状況なら、マスクは外していいでしょう」
【4】タクシーに乗っているとき
「行き先を告げるときにはマスクをしていたほうがいいのですが、運転手さんと会話せずに無言のまま乗っているなら、乗車中はマスクを外して構いません」
【5】オフィスで会話せず作業しているとき
「誰とも会話せず、ひとりでパソコン作業をしているときは、マスクを外してOK。誰かと話すときにはマスクを着用しましょう」
【6】ひとりで通勤・通学中
「新型コロナウイルスの感染経路は飛沫と接触なので、満員電車であっても、ひとりでいるうえに誰とも会話をしないのなら、実はマスクは必要ないんです。エチケットとして人がいる場所ではマスク着用がベターとされていますが、あと2〜3年はウィズコロナのマスク着用生活が続くため、マスク着脱の正しい知識を多くの人に知ってほしいですね」
「女性自身」2020年9月29日・10月6日合併号 掲載