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腰に痛みや違和感があると、ついつい腰そのものをギュッと押したくなるのは、「腰痛あるある」の1つ。しかし、腰痛のときに押すべき場所は腰にあらず!

 

「攻めるべきは腰とは別の場所にあるんです。それが『トリガーポイント』です」

 

そう語るのは、YouTubeチャンネルの登録者数38万人超えの、カリスマ整体師・迫田和也さん。「トリガー」とは「引き金」のことだが、迫田さんが提唱する腰痛のトリガーポイントは、「大臀筋」「大腿筋膜張筋」「外側広筋」「腹斜筋」「広背筋」と、腰とは異なる場所ばかり!

 

しかし、腰がつらいとき、押せば「いた気持ちいい」と感じるのもまた事実。腰痛をケアしようとしたときも、腰そのものをマッサージされたり、湿布を貼られることがほとんどだ。

 

ただし、迫田さんによればそれは対症療法にすぎないという。独自のメソッドにたどり着いた経緯とは?

 

「整体師になって15年以上たちますが、やっぱり最初は、腰が痛いのなら腰に湿布を当てたり、電気を流したりするのだと教わったものです。でも実際に施術を繰り返しているうちに、患者さんはその場ではラクになっても、すぐに痛みが戻ったり、ひどいときは痛みが増してしまうケースが多いことに気がついたんです。そこでさまざまな整体師の先生の勉強会にも行きましたが、テクニックはわかっても、理論立てて説明してくれるところはありませんでした。ならば自分で理論立てて考えようと思い、基本に立ち返って運動学や解剖学を学び直しました」

 

そこで迫田さんが改めて着目したのが、「運動連鎖」だ。

 

「当たり前のことではありますが、人の体は連動しています。たとえば腰も、かがんだり後ろに反ったときに動くのは腰だけではありません。股関節が動き、ひざの関節も伸縮し、前屈のときには脚も内側にねじっています。こうしたさまざまな部位の動きが1+1+1+1……と加算されていくことで、人は体を動かせているのです。これが運動連鎖です。でも、たとえば股関節が硬くなったら、それをカバーするために腰の動きは2や3に増加します。すると腰の筋肉が必要以上に伸ばされたり、神経が引っ張られたり、関節に負荷がかかってしまいます。その結果として腰痛が起こることがわかったのです」

 

そこで迫田さんが導いた答えが、この「運動連鎖」の再教育。

 

「要は正しく体を動かせるようになりましょう、ということです。体が正しく動かなくなっている原因は関節が硬くなっているから。そして、関節は筋肉でつながっているので、この筋肉を動かせるようになればいいのです」

 

その方法として巷間あふれているのが体操やストレッチだが、より効果的な治療法として迫田さんがたどり着いた結論が「押す」ことだった。

 

「もちろん体操やストレッチにも効果はありますが、これらはある部位を全体的に伸ばす行為です。いっぽうわれわれは、患者さんに『押す』という刺激を加えることで、硬くなっている関節付近の筋肉をピンポイントで伸ばしているのです。そして、筋肉にも硬くなりやすい部分となりにくい部分があり、このいちばん硬い部分こそが『トリガーポイント』なのです」

 

「女性自身」2020年10月13日号 掲載

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