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「これまで臨床医として20年以上患者さんを診てきたうえで、残念なことに、医者任せの方や自分の病気に関心のない方が少なくないことを知り、そういう人をあえて“やぶ患者”と呼んで、注意喚起を促してみようと思いました」

 

こう話すのは、長野松代総合病院消化器内科部長で医学博士の前川智先生だ。やぶ患者とは前川先生の作った造語だが、そこには患者さんに正しく医療を活用してほしいという思いが込められている。

 

「糖尿病、高血圧、脂質異常症など、今の日本人が病院にかかる疾患の多くは食生活などの生活習慣の悪化が原因です。本来、患者さんが自分の体をいちばんよく理解しているはずなのですが、実態はまったく逆です」(前川先生・以下同)

 

初期の段階で、もっと自分の体の状態、体調維持に気をつけていれば重病になることもないのに、きちんと整えてこなかったために悪化し、その結果、「健康寿命」ではなく「不健康寿命」が延びてしまっていると前川先生は指摘する。

 

そこで前川先生の“やぶ患者”リストから、先生の監修のもと、本誌が独自にタイプを分類。自分がどんなタイプなのかチェックしてみてほしい。最もチェックの多かったタイプがあなたの傾向だと言える。

 

【やぶ患者チェックリスト】

〈A〉

□ 医療の知識を積極的に知ろうとしないで、すべて「先生にお任せ」
□ 病気は医者や病院が治すものだと信じ込んでいる
□ 自分に処方されている薬について説明できない
□ セカンドオピニオンに興味がない/受ける気がない

 

〈B〉

□ 病気の予防を行っていない、けど長生きはしたい
□ 自分の病歴、手術履歴を把握していない
□ 薬は飲んでも生活習慣を改善しない
□ 人間ドックや健診を受けていない

 

〈C〉

□ 自己判断で薬を増減したり、通院を中断する
□ 自分の症状を軽視する/異変に気づいてもほっておく
□ 「これまで病気になったことがない」が自慢のフレーズ
□ ドクターショッピングをする
□ 自覚症状がないので病気ではないと思っている

 

■〈A〉が多い人は依存タイプ

 

Aにチェックが多かった人は、医者や病院や薬に依存するだけで、自分の健康は自分で守ろうという意思がない「依存タイプ」。

 

「治療内容について説明しても理解しようとせず、『私は素人だから、先生にお任せします』という人。このタイプは出された薬に疑問も持たず、漫然と飲み続けます」

 

健康にはなりたいけれど、能動的に動いて病気について調べてみようとか、飲んでいる薬が何の病気に対し、どんな理由で飲んでいるのかを理解しようとしない。

 

「主体性が乏しく、『先生が言うなら』と疑うことなく二つ返事で言うことをきくのですが、薬を漫然と飲み続けることについて、少し疑問を持ってほしいのです。その薬や治療は何のためのどういう効果を及ぼすものなのか、副作用の心配はないのか、いつまで飲み続けなければならないのか。もしかしたら、生活習慣を見直すことで、薬を減らすことができるかもしれない。そういう可能性についても考えてほしいのです」

 

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