大腸がん治療費「早期発見」と「他臓器に転移後」では約440万円もの差が!
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■IV期で手術が困難だとかなりの経済的負担が……

 

入院・手術ではどのくらいの費用がかかるのだろうか?

 

部位・ステージごとのがん治療費の情報を発信している「がん治療費ドットコム」によると、0期やI期の結腸がんで、EMRという一般的な内視鏡による手技なら、1年目にかかる治療費(検査費用、治療費、入院費用、差額ベッド代など)は39万5千円(10割負担の場合・以下同)が目安になるという。

 

同じ0期・I期でも、患部の大きさによって、より高度なESDという内視鏡による手技を行う場合、1年目の治療費は57万8千円。

 

深部までがんが浸潤したII期の場合は、内視鏡ではなく腹腔鏡手術がメインとなる。

 

「おへそも含め、おなかに3〜4カ所穴を開けて、そこからカメラや電気メスを入れて手術をします。開腹手術と違って体の負担は少ないので、体力を落とさないよう、次の日から立って歩くように促されます。I期であっても、がんの浸潤が深ければ腹腔鏡手術を行うこともあります」

 

リンパ節への転移が認められるIII期で手術を行い、半年間の再発予防のための抗がん剤治療を行った場合の、1年目の治療費は312万5千円と試算されている。

 

他臓器への転移のあるIV期は、治療費がより高額だ。

 

「腸の血流が集まる肝臓や、肺などに転移する場合があります。その場合、大腸の手術ばかりでなく、転移したほかの臓器の手術代と、さらに半年ほどの抗がん剤治療の費用もかかります」

 

がん治療費ドットコムの目安では、IV期で肝臓に転移がある場合、1年目の治療費は479万9千円だ。

 

もちろん、保険適用になるので3割負担や1割負担になるし、高額療養費制度を利用することで、月の医療費が一定額(一般的な所得の場合、8万〜9万円ほど)を超えた分は返金される。

 

「しかし、がんは数年間に及ぶ定期的な検査が必要になります。

 

また、IV期で手術が困難となると、通常、亡くなるまで定期的な抗がん剤治療が続きます。

 

高額療養費制度を利用しても、かなりの経済的負担がのしかかるのです」

 

早期発見・早期治療を心がけることで、身体的負担ばかりでなく、経済的負担も軽く済むのだ。

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