■運動のタイミングやストレッチも新常識
【7】卵は1日1個まで
コレステロールを気にする人のなかには「高コレステロールの卵は1日1個まで」という“常識”をいまだ信じている人も多い。
「ひと昔前まで悪者だったコレステロールも最近は世界的にも見方が変わり、厚生労働省の『日本人の食事摂取基準』でコレステロールの基準値を撤廃しました。血液中のコレステロールの8割は体内で作られ、食事による影響は2割だけ。食べすぎは動脈硬化を進行させますが、栄養面でもプラスの効果がある卵なら1日2~3個食べても問題ありません」(秋津先生)
【8】朝はフルーツジュースを
ビタミンや食物繊維が豊富でヘルシーなイメージがある果物。「フルーツジュースは体にいい」と信じている人もいるが、そこには大きな落とし穴がある。
「食後の血糖値の急上昇や急降下を指す血糖値スパイクは、糖尿病のリスクを高めるだけでなく、血管を傷めて重篤な病気を招く動脈硬化を進めます。実は、果物のジュースは糖質が多く、米ハーバード大学の調査では、フルーツジュースを毎日飲む人は糖尿病リスクが21%上がるという報告も。朝に果物を取る場合は、固形のまま、よくかむことで血糖値スパイクを抑えられます」(秋津先生)
【9】毎朝のジョギング
自律神経の研究も進み、新常識が登場している。自律神経研究の第一人者、順天堂大学医学部の小林弘幸教授が語る。
「おもに血流をコントロールする自律神経は、日中には交感神経が、夕方からは副交感神経が活発になります。『ジョギングするなら朝がいい』と信じる人がいますが、全身の血流がよくなる夕方のほうが効率はいいです」
【10】冷え性には手足を温める
「手足の冷えは自律神経の乱れが深く関わっており、末端を温める以上に自律神経を整えて全身の血流を改善させることがカギ。運動をして筋力をつけることも重要です」(小林先生)
【11】運動前のストレッチ
運動前のストレッチは、体の1カ所の筋肉を伸ばすだけでは全体のバランスを崩す可能性も。また伸びてしまった筋肉は、すぐには元に戻らないため柔軟性が損なわれ、可動域が狭まりケガをするリスクがある。ストレッチは運動後、が今どきの常識だ。