コロナからの副鼻腔炎の発症が増加中! 医師が解説「髄膜炎や視力低下のリスクも」
画像を見る コロナが治っても副鼻腔炎に発展することも(写真:buritora/PIXTA)

 

■副鼻腔は脳や目に隣接している

 

それでも、急性副鼻腔炎になったら、どうしたらよいのか。

 

「顔や鼻、頭などに痛みを感じたら、まずは耳鼻科を受診してレントゲンを撮り、炎症の状態をチェックしてもらいましょう。軽い症状であれば、鼻洗浄などを行うことで、1週間程度で治まっていきます。炎症がひどい場合は、抗生剤などを服用して様子を見ます」

 

放置するのは厳禁だ。

 

「炎症の原因がウイルスだけではなく、真菌(カビ)や耐性菌などの複合感染の場合、炎症が頭まで及ぶと、意識障害や髄膜炎などを引き起こすこともあります。鼻腔は目や脳に接していて隔てている骨も薄いので、炎症が強くなると影響が及ぶからです」

 

目に炎症が及ぶと、物が二重に見えたり視力が低下することも。一方で、慢性副鼻腔炎の治療は長期戦となる。

 

「粘膜の慢性的な炎症を抑えるマクロライドという抗生剤を約3カ月から半年ほど服用します。それで改善が見られなければ、手術で副鼻腔に溜まっている膿や病的な粘膜を除去したり、通気をよくするために構造を広げる手術をしたりして、副鼻腔炎が再発しにくくします」

 

もともと慢性副鼻腔炎があり、新型コロナ感染で急性症状が出た人の場合、これをきっかけにしっかり慢性副鼻腔炎の治療を行っておくことが望ましい。コロナに罹患したときに、急性副鼻腔炎にならないためには、次の予防策を徹底しよう。

 

「鼻水はすすらずしっかりかむこと。さらに、市販の鼻うがい液などで鼻うがいを行うことで鼻腔内を清潔に保っておくと急性副鼻腔炎になりにくいでしょう」

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