■進行が速い男性の乳がん 早期発見のポイントは?
男性の場合は、女性よりも進行が早いという。
「男性は乳房が小さく女性と違って皮下脂肪も薄いので、腫瘍がそんなに大きくなくても、すぐに皮膚や深部の筋肉へ浸潤しやすいです。そのためリンパ節や骨・肺・肝臓などへの遠隔転移が起こりやすく、がんのステ-ジが女性より早く上がりやすいのです」
さらに男性の場合、発見が遅れがちになりやすいため余計に注意が必要だという。
「女性のように乳がん検診を受けることがなく、また普段から自分の胸に注意を払わないものですから、気がつきにくいことが多いです。私が診た中では、着替えの最中にたまたましこりに手が触れて違和感を持ち受診に至るなど、偶然見つかるケースも多いです。先程言ったように女性よりも進行が早いのに、気がつきにくい分、発見した段階ですでに進行しているケースも多いです」
乳がんを発症した場合の兆候はあるのだろうか。
「主な症状は乳房のしこりで、最初は女性と同様、例外もありますが、乳がんには痛みがありません。硬く、可動性がないのが特徴です。しこりで気がつく場合が多く、痛みが来た時点では少し進行していると思った方がいいです。
また、乳首の陥没も症状としてあります。がんが乳首を引っ張ってくるので、凹んでくるのです。それでおかしいと気がつく人もいます。しかし、痛みと同様、こちらもその状態まで来るとそこそこ進行した状態になっていると思った方がいいです」
早期発見のために簡単にできることもあるという。
「お風呂で石鹸をつけたときに胸を触ってみるなど、月に一回くらい触ってみるのがベストですね。違和感があればすぐに受診して、痛みや陥没などの症状が出る前の早期に見つけられるといいと思います」