エレベーターの耳ツン現象、新幹線の高速移動でとんでもないことに?日常にもあった低気圧不調の意外な要因
画像を見る 順天堂大学医学部教授・小林弘幸先生

 

エレベーターだけではありません。

 

上下に移動するエレベーターは気圧の変化がイメージしやすかったと思いますが、高速で移動する新幹線などの横移動や縦と横が組み合わさった飛行機、高低差の大きい地下鉄での移動でも気圧の変化を受けることになります。

 

出張などで各地を飛び回っている人もまた、現代ならではの気圧変化にさらされているといえるでしょう。

 

エレベーターと同様に、飛行機の上昇中や下降中、新幹線がトンネルを出入りするときなどに、耳の圧力調整がうまくいかず、耳ツン現象を起こすことがありますよね。

 

乗り物の速度、トンネルの幅なども関係するため気圧変化を数値で示すのは難しいですが、わずか数秒でビルの高層階へ瞬間移動するくらいの負担が体にかかっている、とイメージしてください。

 

乗り物での高速移動は、気圧変化をキャッチするセンサーの役割を持つ内耳を酷使します。

 

このため自律神経の乱れが生じることもありますし、ずっと座ったままの姿勢が血行不良の原因となり、自律神経のバランスを崩してしまうこともあります。

 

また、出張の多い方は、出発地と目的地の天候の違いによる気圧変化や寒暖差に直面することがよくあると思います。

 

移動の車内で気圧変化を調整してきた自律神経は、すでに働きすぎの状態なのに、晴れたエリアから雨のエリアに移動という悪条件が重なれば、自律神経の疲労度はとんでもないことに!

 

移動前と移動後の気温差も自律神経にダメージを与えます。

 

旅行などで移動するのは楽しいものだけれど、半面、自律神経には負担がかかるということを知っておき、自律神経のアンバランスをリセットする行動を心がけることが不調を寄せつけないための心構えになります。

 

【PROFILE】

小林 弘幸(こばやし ひろゆき/Hiroyuki Kobayashi)

順天堂大学医学部教授
1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児科講師・助教授を歴任、現職に至る。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートや文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。また、日本ではじめて便秘外来を開設した「腸のスペシャリスト」でもある。『聞くだけで自律神経が整うCDブック』(アスコム刊)などベストセラー多数。

 

小越 久美(おこし くみ/Kumi Okoshi)

気象予報士、健康気象アドバイザー
1978年、岐阜県下呂市生まれ。筑波大学第一学群自然学類地球科学専攻(気候学・気象学分野)卒業。2004年から2013年まで日本テレビ「日テレNEWS24」にて気象キャスターを務める。その傍ら、民間の気象予報会社(株)ライフビジネスウェザーに所属し、健康気象アドバイザー・データ解析士の資格を取得。スーパーマーケットの売上予測の開発にも携わる。現在は(一財)日本気象協会に所属し、気象データとAIを活用した商品の需要予測事業に携わり、アパレルや飲料メーカーなどへのコンサルティングを行う。著書『かき氷前線予報します~お天気お姉さんのマーケティング~』(経済法令研究会)。

 

【INFORMATION】

 

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出典元:

WEB女性自身

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