■歯ごたえのある食材が神経を活性化させる
管理栄養士の小原水月さんは、「具だくさん味噌汁と、雑穀米ごはん」をすすめる。
「体を温めることで、副交感神経が優位になり、心が落ち着きます。さらに味噌には、幸せホルモン・セロトニンのもとになるトリプトファンや、リラックス効果が期待できるギャバを生成するグルタミン酸なども含まれています」(小原さん、以下同)
根菜や葉物、きのこ類など、味噌汁に入れる具材はなんでもよいが、心を落ち着けたいなら鶏ささみを入れるのがおすすめだという。
「タンパク質にはトリプトファンが含まれていますが、特にささみには、セロトニンの生成を促すビタミンBや、不安やストレスを和らげるマグネシウムも含まれます」
具材は作り置きして、冷凍しておくとよい。
「根菜など、硬さのある野菜は、ある程度の量を一度に切って、大きめの鍋に重ねて蒸しておきましょう。冷めたら、味噌汁1回分ずつをプラスチックバッグなどに入れて冷凍庫に入れてください」
ただし、葉物野菜は、一度蒸すとクタクタになるので、ざっくり切って生のまま冷凍保存し、使用する際にそのまま鍋に入れる。味噌汁とともに雑穀米もとろう。
「日本最古の雑穀と言われるひえには、セロトニンの材料となるトリプトファン、ビタミンB、糖質に加え、不安解消を手助けするマグネシウムが含まれます。また、あわにも、ストレスに強いパンテトン酸が。加えて、ひえ、きび、あわなどはポリフェノールが豊富なので、ストレスで増えた体内の活性酸素を除去するのにも役立ちます」
具だくさん味噌汁も、雑穀米の一種、黒米なども歯ごたえがある。
「かむことも重要です。かむリズムを繰り返すことで、脳内の神経が活性化され、セロトニンの分泌が促されます」
具だくさん味噌汁と雑穀米ごはんで、“冬季うつ”を撃退しよう!