3カ月以上続く“原因不明のめまい”その4割が新疾患「PPPD」だった!新潟大学の医師が解説
画像を見る 【チェックリスト】あなたもPPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)かも!?

 

■3カ月以上続く場合は専門医への受診を

 

気になる症状が3カ月以上続く場合は、耳鼻科や専門医を受診することだ。

 

「まずは眼振の検査をしたり、目を閉じて立ち上がるなど平衡機能検査をしたりして、メニエール病や、良性発作性頭位めまい症などの病気の可能性を排除します。さらに問診を重ね、診断します」

 

PPPDと診断された場合の治療法は、3つに分けられる。

 

「病名が確立する以前は、抗めまい薬を処方されたりしていましたが、PPPDには効かないため、第一選択肢は抗うつ薬のSSRIという薬を使用します。

 

不安が強い患者さんばかりでなく、不安が強くない患者さんにも効き、有効率は70%ほどです。ただ、副作用として、胃がムカムカするなど、消化器の不調を訴え、薬が飲めない患者さんもいます」

 

前庭リハビリテーションという平衡訓練も有効だという。

 

「リハビリをすることでめまいが誘発されることもありますが、慣れを促進します」

 

さらに精神科医や心療内科医、臨床心理士などから認知行動療法を受ける治療もある。

 

「めまいの起こる仕組みや、めまいへの不安の強い患者さんの話を聞きます。1回60分ほどで、6~7回カウンセリングを受けます。こうした3つの治療法を患者さんごとに組み合わせます」

 

しかし、まだPPPDという病名が誕生して7年ほどしか経過していないため、残念ながら、医師のなかでも病気の存在を知らないケースがある。

 

「逆に患者さんのほうがネット検索をして詳しいケースも。私のいる新潟にも、遠方から新幹線や飛行機を使って診察に来る人も多いです。以前ならめまい症で放置された患者さんも、PPPDと診断されることで、治療もできるようになりました。

 

初診には30分ほど時間をかけ、細かく問診するので、長い期間苦しんでいた患者さんのなかには『話を聞いてくれるだけでもありがたい』と感激する人もいます」

 

PPPDは放置すると、メンタルに影響して症状も悪化する可能性があるという。PPPDが疑われる場合は、希望を失わず、専門医に相談してみよう。

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