■重い頭を支える支点を増やして負担を分散させる
1つ目は「頭を少し高くする」。腰がだるい、痛いときは、頭の位置を意識して少し高く上げよう。頭の重みを上に逃がすことで、腰への負担が軽減できる。
2つ目は「重い頭を支える支点を増やす」。腰痛は前かがみの姿勢がもっとも危険だ。前かがみになるときは手をつく、お腹をつける、お尻をつくなど、頭を支える支点を増やそう。支点が多いと、負担が分散され楽になる。
これら2つのポイントを踏まえて、腰痛が消えるラク家事動作を植森さんに教えてもらった。
【1】掃除をする
掃除機をかけるとき、ゴミを逃さないよう下を向き、腰を丸めて腕を大きく出す人が多いのでは?
「腰痛を悪化させるNG動作です」
負担をかけないためには、上半身は前に倒さず顔は下を向かない。ポイントの「頭を少し高く」を思い出し、掃除機は脇を締めて持つ。腕を後ろに大きく引いて、その反動で前に出すことを心がけよう。
【2】買い物をする
「腰が痛い人は、買うものが少なくてもカートを使ってください」
とくに、品物に手を伸ばす瞬間が危ないので、カートを持つ手も支点にしよう。また、買い物かごを体と棚の間に挟みお腹をつけて、上半身の重さを支える手も。
「安定感が増して、高いところの商品を取るときも安心です」
【3】食器を洗う
痛みがひどいときはキッチン台にお腹、太もも、ひざをつけて面で支えよう。痛みに左右差がある人は、痛いほうをキッチン台につけ、逆側の足を後ろに引いて立つ。
痛みが軽いときはお腹だけで支えてもOK。自分に合った体重の預け方を探してみて。
【4】重い荷物を持つ
腰が痛いときは重い荷物を持たないほうがよい。だが、どうしてもというときは、壁にお尻をつけ支点にして、体重を逃がす。
「下を向かず『頭を少し高く』も意識して、真下から持ち上げて」
このほか、植森さんが最初に見つけた「お腹をへこませる」動作もおすすめだという。
「腹横筋というお腹を覆う筋肉に力が入り、自前のコルセットとして腰を守ってくれます。また、腹横筋をよく使うと、下腹ポッコリが解消できるオマケつきです」
痛みが消えるラク家事動作で、腰痛と無縁の人生を手に入れよう。