■認知症中期~後期の症状が出る前の投薬が効果的
「対象となるのは軽度認知障害と早期アルツハイマー病。治験では、認知機能検査の『MMSE』(ミニメンタルステ―ト検査)のスコアが、ドナネマブで20~28点(低いほど進行)、レカネマブで22~30点の人で、アミロイドβの蓄積が認められた人です。
アルツハイマー病の症状は出来事の内容だけでなく、出来事そのものを忘れる『エピソード記憶障害』が特徴的。
もの忘れがあっても、着替えや入浴、外出時の身の回りの支度など生活ができていたとしても、本人が『何かおかしいな?』と自分の変化に気づくことが重要。
それまでの暮らしぶりと比べて違う“何か”を見逃さないで受診することが、認知症新治療薬で治療できるタイミングを逸しない方法です」
昼ご飯に何を食べたか忘れるのではなく、食べたかどうか忘れた、などの症状が出たら手遅れ。
その前に治療が必要だ。予防に心がけながらも「おかしい?」という異変を見逃さないことが画期的な薬と出合う方法のひとつのようだ。