アレルギーがひどいと薬が効かないことも(写真:プラナ/PIXTA) 画像を見る

気象情報会社「ウェザーニューズ」の発表によると、2025年は全国的に花粉飛散量が多くなると予想されている。多くの地域で平年を上回る予想で、特に関西地方では、過去10年間で最も多い飛散量になる見込みだ。最大級の警戒が必要だろう。

 

「もはや春が来るのが怖い……」と、この情報に絶望的な気持ちになった人も多いかもしれない。

 

しかし、諦めるのはまだ早い。

 

「花粉症の方には、今の時期から青魚の油やアマニ油に多く含まれる“オメガ3脂肪酸”を摂取することをおすすめします」

 

そう語るのは、順天堂大学大学院医学研究科の横溝岳彦教授だ。

 

横溝教授の研究グループが行った実験では、オメガ3脂肪酸を豊富に含む「アマニ油」をマウスに2カ月間与えた。すると、通常の餌を与えたマウスに比べて、花粉によるアレルギー性結膜炎の症状が大きく改善したことが確認されたのだ(2019年に英文誌で発表済み)。

 

「アレルギー性結膜炎は、花粉症患者に生じる目の疾患で、患者数は世界的にも増加傾向にあります。主に目のむくみや充血、涙、かゆみといった症状が出ます。オメガ3脂肪酸を取ると、アレルギー症状を引き起こす炎症性の伝達物質を結膜中から著しく減少させることがわかっています。このメカニズムで、症状が改善するというわけです」(横溝教授、以下同)

 

長引く目のアレルギー症状は生活の質を大幅に低下させ、ストレスも増える。また、むやみに目をかけば、角膜を傷つけてしまうこともある。オメガ3脂肪酸がこれらの症状を軽減するのであれば、摂取しない手はない。

 

「現段階ではまだマウスでの実験ですが、ヒトでも効果は期待できると考えています。オメガ3脂肪酸は、食品ですと、青魚に多く含まれています。鯖・イワシ・サンマなどを積極的に取り入れるのがよいでしょう。私自身も、もともと魚好きということもあって、毎朝青魚を食べています」

 

実際に、横溝教授には一切アレルギー症状がないそうだ。

 

「もう少し手軽に摂取するのであれば、毎日朝晩に、大さじ1杯のアマニ油を食べることをおすすめします。ヨーグルトや納豆にかけると、おいしく手軽に取り入れられます」

 

もともと花粉症であった横溝教授の妻は、毎日アマニ油をヨーグルトに入れて摂取したことで、花粉症の症状がかなり軽くなったのだという。

 

「重要なのは、『毎日食べること』と『食べ始める時期』です。オメガ3脂肪酸を摂取して、体内の脂肪酸組織が変化するには時間がかかります。マウスの実験でも1カ月以上の継続摂取が必要でした。花粉症になってからではなく、できるだけ早めにオメガ3脂肪酸の摂取をスタートすることが大事です」

 

花粉飛散のピークは例年2~4月といわれている。1日も早く、オメガ3脂肪酸を取り始めたいところだ。

 

鯖は青魚の中でも、オメガ3脂肪酸を豊富に含んでおり、秋から冬にかけて旬を迎える。今の季節は脂ものっており、特においしい。最近ではコンビニでも鯖の缶詰が手軽に買えるため、簡単に取り入れられる。

 

本格シーズンが来る前に、今から鯖を食べて、花粉症を迎え撃とう。

 

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