■お湯と冷水に交互に入る“温冷交代浴”でリセットできる
つまり、夏の便秘を解消するためには、自律神経の乱れをリセットする必要があるのだ。
「自律神経の乱れを整える、ということは、交感神経と副交感神経が正しいタイミングで切り替わるようにするということです」
そのために効果的なのが、早坂医師が推奨する、お湯と冷水(ぬるま湯)に交互に入る “温冷交代浴”だ。
この温冷交代浴は、もともと、ヨーロッパの温泉療法として取り入れられていたものだという。
「お湯で体を温めると血管が拡張し、冷水に入ると血管が収縮します。これを繰り返し行うことで、血行がよくなり、交感神経と副交感神経が正しいタイミングで働くようになるのです」
やり方は、次のとおりだ。
「まず、40度くらいのお湯に約3分間、肩までつかります。湯船を出たら、30度くらいのぬるま湯のシャワーを手足に30秒ほどかけましょう。必ずしも水風呂に入る必要はなく、夏なら30度のシャワーを手足にかけるだけで血管が収縮します」
これを3回繰り返すだけで血流が促され、自律神経の働きが整ってくるという。
■便秘だけでなく夏バテにも効果あり
「湯船に胸までつかるのを『暑い』と感じるようであれば、半身浴でもかまいません。浴室から出る間際に、仕上げとしてぬるま湯のシャワーを手足にかけると、暑い夏でも湯上がりがスッキリします」
「体にテンポよく温度差を感じさせることが大事」なので、体や髪を洗うのは、温冷交代浴を行う前にすませておこう。
「ぬるめのシャワーを手足にかけるのは冷たくて抵抗がある場合は、38度くらいのぬるいお湯に炭酸系の入浴剤を入れ、約20分間ゆっくりつかる方法でもかまいません。
炭酸ガスが血管から吸収されて血管が拡張し、血行を促進してくれます」
血行が促進され、自律神経が整ってくると、自然に便秘も解消されていく。一度の入浴でも自律神経は整うが、習慣化することでより効果は期待できる。しかも、冬に比べお湯と水の温度差が小さいため、初心者でも挑戦しやすい。
加えて、温冷交代浴には、次のような効果も期待できるという。
「いわゆる夏バテの症状である、夏のだるさや疲れ、筋肉疲労なども解消されていきます。また、血行がよくなることで、足のむくみなども軽減されます」
こうした夏の疲れは、夏のうちにとっておきたい。
「夏の不調を解消しないまま秋を迎えてしまうと、“秋バテ”として不調がだらだらと続いてしまう」と早坂医師。
「秋になると、今度はクーラーによる寒暖差ではなく、季節の変わり目による寒暖差で交感神経が刺激されてしまい、便秘や体のだるさの原因となってしまうのです」
こうした不調を慢性化させないためにも、酷暑の夏は“温冷交代浴”で夏便秘を解消し、スッキリした気分で秋を迎えよう!
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