夫の不倫に心を傷つけられた妻たち。それでも「離婚はしない」「今後も夫を支える」と決断した妻たちは多い。夫が不倫したら、あなたはどういう選択をしますか?
不倫されたことによって受けた“精神的苦痛”を踏まえて、夫や不倫相手に請求できるのが「慰謝料」だ。離婚問題に詳しいアディーレ法律事務所・篠田恵里香弁護士(東京弁護士会所属)は、夫の不倫が原因で離婚するケースについてこう語る。
「平均的な子どもがいる40代主婦をモデルにした場合、離婚の際の慰謝料は200万〜300万円程度が相場といえます。しかし、離婚に至るまでの過程のひとつひとつが慰謝料を決定する判断材料になりますので、少しのことで慰謝料の額が上下してしまいます」
夫や不倫相手からガッツリと慰謝料をとりたい場合、自分にとって有利になる“判断材料”や証拠を少しでも多く集めるべきだという。
「写真やメール、SNSでの相手との会話などの証拠は、多ければ多いほど慰謝料の決定に有利です。また、不倫発覚後、『夫の対応が誠実か不誠実か』も大きな判断材料になります。夫に逆ギレされた場合、証拠があれば不誠実さも主張しやすいので、夫婦ゲンカの内容を、録音するか日記につけるクセをつけましょう」
だが、“慰謝料がとれないケース”も。
「不倫は、“円満に夫婦生活を継続する権利”を侵害する不法行為です。したがって、夫婦関係がもともと破綻していた場合、夫から慰謝料はとれません。破綻の有無の判断には、『別居しているか、していないか』が大事です。別居していると、夫婦関係は破綻していた、と判断されやすいです」
また、不倫相手からとれないケースに関しては。
「『既婚者であること』を不倫相手が過失なく知らなかった場合、相手に対して慰謝料を請求することはできません。夫が不倫相手を『自分は独身である』とことごとくだましている場合、不倫相手に過失がないと判断されてしまうと慰謝料請求が難しいです」
“離婚して慰謝料請求する”決断は、子供や今後の生活を考えると、難しい問題でもある。
「不倫が火遊び程度で、本当に改心が見込めるのであれば、離婚を回避して夫婦円満の道を模索するのも選択肢のひとつ。その場合は、不倫相手からしっかり慰謝料を支払ってもらいましょう」