「『マネバナ』とは、『お金の話』。しかし、『マネバナ』は単に年収や資産の話をするのではありません。皆さんが人生で経験したなかでのお金の話をするということ。人に話すことでお金に対する自分の考えを見つめ直すことができ、お金が貯まる性格へと変化させていくことができます。『マネバナ』ノートは、私たちが作り出した質問に、あなたが答えを書き込むために使うもの。そうすることで、あなたのお金への考え方、つまり金銭感覚を“見える化”することができるんです」
そう語るのは、メガバンク出身で、不動産投資プロデューサーの長岐隆弘さん(44)。長岐さんは、9月26日に『見える化すればお金は増える! 書き込むだけでみるみる貯まる「マネバナ」ノートの作り方』(集英社)を発表した“お金の専門家”だ。“見える化”とは、ノートに書き出すことで、「目標への道筋」や実現に向けて必要なお金の「具体的な額」を導き出すこと。目標は「幸せな老後」というようなあいまいな言葉ではなく、「◯◯までに△△したい」と具体的に設定するべきだ、と長岐さんは言う。
「その目標を具体的に設定するために、この『7つの究極質問』があるのです。この質問への答えをノートに書いていくことで、あなたの過去と現在、そして夢とのギャップがわかります」(長岐さん・以下同)
“マネバナ”7つの究極質問は以下の通り。
【Q1】あなたの親のお金の価値観は何ですか?
【Q2】あなたのお金に対するターニングポイントは何ですか?
【Q3】あなたの人生の目的は何ですか?
【Q4】人生の目的のために現在していることは?
【Q5】あなたにとってお金とは何ですか?
【Q6】あなたの毎月の収入−家計支出の「残高」はどれくらいですか?
【Q7】あなたの貯蓄残高はどのくらいですか?(不動産も含め)
「マネバナ」ノートの流れは、「過去の自分→未来の自分→現在の自分」。ポイントは、「未来予想図」をイメージしてから、今やるべきことを逆算していくことだそう。このノートを書くだけで本当にお金が貯まるのか……そんな人のために、長岐さんが実例を紹介してくれた。
【実例】川畑明美さん(41)
川畑さんは短大卒業後、営業や編集の仕事につき、30代で結婚、出産。小学生になった子どもが突然、「私立中学校に行きたい」と言いだした。
「目標実現に必要なお金を“見える化”したところ、中学から大学まで私立校に行かせる場合、1人あたり1,700万円も教育資金がかかると試算を知り驚いたそうです。コツコツ貯金をしても資金が足りない現実にぶちあたりました。そこで川畑さんは、人生の目標を『子どもの教育資金』と決めて、費用を稼ぐために、投資信託を始めました」
「マネバナ」ノートを続けることで、川畑さんは目標を定め、必要な金額を調達するため投資を続けた。
「子どもさんの私立中学校入学という目的とそれまでの年数もはっきりしているので、夢と現実とのギャップが明確に“見える化”されましたし、そこに向かうための行動にブレがありませんでした。さらに川畑家では毎月1度、家族会議で『マネバナ』会議も実行。家族4人で自分でつけた『マネバナ』ノートをシェアしあいながら、家族それぞれの目標や現状、なにか節約できることはないか、を共有したそうです。結果、6年間で2,000万円を達成し、子どもを私立中学校に通わせるだけの資金を得ました」
この経験をもとに、川畑さんは現在ファイナンシャルプランナーとして、長岐さんとともに「マネバナ」の考案、普及にも努めている。