《複雑すぎて覚えられない》《まるで暗号みたい》--’68年に日本独自のマークを定めてから48年、今年12月1日から洗濯表示記号が変更される。今後、衣類のタグに並ぶという新しいマークに、インターネット上でも不安の声が相次いでいる。
これまでは22種類だったものが、国際規格にあわせて41種類と、ほぼ倍になる。さらに、たらい形など、新しい表示が登場したり、三角形、四角形の中に線が入っているだけだったりと、なんだかすごく複雑だ……。
「慣れないうちは頭が混乱してしまうと思いますが、41種類全部覚える必要はないので安心してください!」
こう語るのは“洗濯王子”こと洗濯家の中村祐一さん(32)。すでに中村さんのもとにも、新表示に関して多くの相談が寄せられているという。そこで今回、中村さんに新表示の覚え方のコツを教えてもらった。
【1】左にあるマークほど重要!
衣類のタグには、左から優先度が高いマークが表示されているので、まずは左のほうからチェックする。
【2】たらいマークは洗濯、△は漂白、□は乾燥
たらいのマークは、洗濯機洗い、または手洗いができるかなどを示す記号で、従来は洗濯機マークで表示されていた。特にたらいの中に書かれてある温度は見落とさないようにしたいところ。△マークの漂白も要注意。△だけだと塩素系漂白剤、酸素系漂白剤のどちらも使えるが、斜線が2つ入ると、塩素系は使用できない。□マークは乾燥についての表示だが、乾燥機の使用についてと自然乾燥についての2種類がある。
【3】たらいは下の棒が多いほど「弱く」
たらいマークの下に、線が引かれていると、ソフト洗いの目安になる。線が1本では「弱い洗濯ができる」、2本では「非常に弱い洗濯ができる」という意味になる。
【4】“ブタの鼻”は乾燥機使用もOK
衣類を、熱とともに回転させらなが乾かすタンブル乾燥。コインランドリーの乾燥機や、家庭用洗濯機でも使用されている。タンブル乾燥ができる衣類は、□の中に◯が書かれている。さらに◯の中に点も表示されているが、点1つは排気温度の上限が60度、2つ(ブタの鼻)は上限が80度という意味になる。点が1つだったら「弱」、2つのときは「強」に設定。だが、メーカーによって表示が異なるので取扱説明書で確認を。
【5】□にたて棒はつり干し、横棒は平干し
平干し表示は、つるすとのびてしまうようなニット系の素材で記される。
【6】□に2本線は“脱水しない・絞らない”
たてまたは横の線が2本の場合、洗濯機で脱水したり、手で絞ったりせず、ぬれ干しにする。
【7】アイロンは点が多いほど「高温OK」
アイロンは、アイロンマークの中にある点の表示が表面温度の目安になる。点1つで110度、2つで150度、3つで200度と、点が多いほど高い温度でアイロンがかけられる。
【8】◯にアルファベットはクリーニング店向け
◯の中にアルファベットの「P」「F」「W」の文字が入っているマークは、クリーニングの溶剤などに関する表示で、クリーニング店の人が確認する。
「新表示には大きく分けると5つの基本マークがあります。まずその意味を理解することからスタートしましょう」(中村さん)