48年間にわたりCMを提供してきた東芝のスポンサー降板、現代社会とのギャップ……。’69年10月にスタートし、日曜夜の顔として半世紀近く愛されているアニメ『サザエさん』(フジテレビ系)が苦境に立たされている。
そんな“磯野家の危機”を救うため、本誌では、『サザエさん」のイマドキの楽しみ方を紹介。
『サザエさん』の次週予告の最後に繰り出されるじゃんけん。楽しみにしている人も少なくないだろう。ちなみに、サザエさんがクッキーを放り投げて「ンガググ」と喉に詰まらせるバージョンから“サザエさんとのじゃんけん”に変わったのは’91年10月のこと。
毎週、サザエさんとの真剣勝負に力を注いでいるのが「サザエさんじゃんけん研究所」だ。
「これまでサザエさんが出したすべての“手”を分析することで、特有の癖やパターンの偏りがあることを解明。25年間の通算で平均勝率は7割。今年に限っては約8割の勝利をおさめています」
こう語るのは、高木啓之所長。ふだんはIT企業で働いている高木所長の、勝利の方程式を聞いてみた。
「じゃんけんの“手”は毎回、制作スタッフが決めているので、実は癖があるのです。たとえば過去2回の手から、次の手がグー、チョキ、パーのどれか、ある程度予測できることがわかりました。前々回がパー、前回がグーなら、次はグーを出す確率が高いなど、パターンがあるのです。また、1月の初回は23年間連続でチョキ。新年を迎えたことで、平和を象徴する“ピース”をしているのかもしれません。ちなみに(本誌が発売された直後の放送となる)12月10日に、サザエさんが繰り出してくる手は、グーと予測しています。つまりパーを出せば勝てます」
そんな高木所長は、サザエさんとのじゃんけんをツイッターで“実況”。4,600人のフォロワーが激闘を見守っているという。
「4,000人以上の人に見守られているプレッシャーがあります。でも、サザエさんの“手”は制作スタッフの人が決めているから人間味があるのです。担当者が代われば、また新たな癖も。そんな研究に終わりはありません」