「『片付け=捨てる』と思っている方は多いですが、それだけではありません。片付けとは、増えすぎたものの中から、現在の自分や家族に必要なものや、大切なものを“選ぶ”行為。それを、使い勝手よく収めるのが“収納”です。ですから、不用なものを手放してスペースができれば、必要なものを生かしやすくなるんです」(中山さん・以下同)
そう語るのは、これまで1,500件以上の散らかった家を片付けて、スッキリさせてきた整理収納アドバイザーの中山真由美さん。
「洋服やかばんで『捨てられない』というものは、一度、使用してみることをおすすめします。使っていないものには『使い勝手が悪い』とか『着ても似合わない』など理由があるはず。『捨てずに取っておいた若いころの洋服を着て外出したら、あまり似合っていないので処分する気になった』なんて方もいらっしゃいました」
そんな「捨てにくいものを処分するコツ」を中山さんに伝授してもらった。
■薬、サプリメント
箱やビンに記載されている消費期限が過ぎていたら、飲まずに処分を。病院の処方薬は、処方された日数以内で飲みきることが基本。
■化粧品サンプル
洗面所などの目に付く場所に置き、もらったらすぐ試す。1年以上たっているものは、品質保証ができなくなるので処分を。
■郵便物
年賀状は過去2年分だけ保存し、古いものは処分。捨てづらい手紙やはがきは、写真に撮るかスキャンして保存を。
■ポイントカード
スマホアプリ「Stocard」での一括管理が便利。バーコード番号を登録すればかざすだけでポイントがたまる(一部レジでは非対応)。
■お守り
1年たったら、元の神社やお寺に、お礼参りをかねて返すのがベスト。行けない場合は、近所のお寺や神社に返してもいい。
■靴、かばん
年齢を重ねて合わなくなったかばんは、季節の変わり目に処分を。靴のかかと補修は3回まで。高さが合わなくなり、体に負担が。
■子どもの教材
塾のテキストや受験用教材などは、フリマアプリなどに出品すると高値で売れることもある。捨てずに有効活用して。
■紙袋
紙袋は15枚あれば十分。大・中・小と5枚ずつ残し、あとは処分を。余分な紙袋は、もらわない工夫も。
「でも、家族の持ち物を無断で処分するのはNG。一度機嫌を損ねたら、二度と片付けに協力してくれなくなります。まずは、『整えさせてね』と一声かけて『可視化』と『グループ化』をしてあげて。すると『あっ、もうこれいらないな』と、みずから処分してくれるようになります」