「冷蔵庫で食材を無駄にしてしまうのは、冷蔵庫でお金を腐らせているのと同じです。冷蔵庫はいわば、お金が出たり入ったりする“通り道”。『お金がない!節約しなきゃ』と焦る前にそこをよ〜く見直してみましょう。お金は『ない』のではなく、『散らかっている』だけとわかるはず。お金の通り道が散らかっていると、お金も散らかってしまうのです。冷蔵庫をきれいに整えるだけで、月1万円は食費を節約できるようになります」
そう話すのはマネーコンサルタントの市居愛さん。市居さんは冷蔵庫のほか、財布、通帳などお金の通り道を整えることで3,500人以上のお金の問題を解決してきた。そのメソッドをまとめた著書『お金を整える』(サンマーク出版)が、今年2月の発売以来、4万5,000部を超えるベストセラーとなり話題を集めている。
市居さんが指導してきた人の中には、冷蔵庫を整えただけで年間18万円もの節約を成功させた女性もいるという。そこで、市居さんに食費が自然と減る「冷蔵庫の整え方」を聞いた。
(1)不用なものを捨てる
「とくにビンの調味料はたまりがち。新商品で興味から買ってみたものの、その後使わなかったり、柚子胡椒など使用頻度の低い調味料をいくつもためていたり。捨てたものは覚えておき、次回以降、本当に必要かどうかよく考えたうえで買いましょう」
(2)1週間買い物リストを作る
「1週間で冷蔵庫をカラにするための買い物リストを作ります。献立から必要な食材を考えるのではなく、1週間で食べ切る量の食材をリストにして買い物し、その中から毎日の献立を決めていきます。途中で足りないと思う食材があっても買い足さず、なるべく別の食材で代用する工夫を」
(3)買い物は週に2回、曜日を決める
「無駄買いを防ぐため、買い物に行くのは週2回までとし、曜日も決めます。1回目の買い物は、(2)のリストにそってまとめ買いを。2回目は、補足の買い物をする日。1回目は6,000円、2回目は3,000円といった具合に予算も決めて」
(4)冷蔵庫の段ごとに食材の位置を決める
「冷蔵庫の最下段はいちばん目につきやすいので、消費期限が近いものやすぐ食べるものを。野菜室の野菜は色によって栄養価が異なるので、色別に入れておくと栄養の偏りをチェックできておすすめ」
(5)足りない栄養コーナーを作る
「(2)で作った買い物リストの食材から栄養素を計算。わが家はカルシウムが足りないので、冷蔵庫の扉のポケットに、ごまや桜エビなどを入れたカルシウムコーナーを設け、毎日大さじ3杯以上とると決めています」
(1)〜(5)を実践した人からは、「冷蔵庫にあるものですませるようになって、冷凍ピザなどのチルド品が激減した」という声をよく聞くそう。
「1週間の食材の適正量がわかるので、自然と無駄買いが減り食費の節約につながります。食品一つ一つの値段を気にして節約するよりも、ずっとストレスがかかりません」
食材、買い物日、冷蔵庫での定位置を決めれば、自然とお金がたまってくるはず。