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「父はねこ(人)権をすごく尊重しているようでした。だからペットを飼うという感覚とは違うというか。誰に対しても、小さいころの私に対しても“人間”として接するような人。それは人間でも、動物でも同じで、菊千代にも対等に接していました。だからねことは思えないほど堂々としていたのかな」

 

こう話すのは故・赤塚不二夫さん(享年72)の娘・りえ子さん。特技の“バンザイ”で人々を魅了し、CMなどメディアでも引っ張りだこだった元祖スターねこ・菊千代さん(オス・享年19)。彼は赤塚さんが生涯で飼っていた最初で最後のねこ。その思い出をりえ子さんが語ってくれた。

 

「当時は「赤塚菊千代様」という銀行の通帳があったんですよ。菊ちゃんのギャラはその通帳に入れていたので、けっこう貯まったと思います。でも、父が菊千代宛の借用書を書いて、たまに飲み代に使っていたみたいです(笑)」

 

口座を閉じる際の残額は7万円ほどだったとか。そんな赤塚さんだが、思い出の写真や、マンガ「花の菊千代」などの作品からは“菊千代愛”が伝わってくる。どんな関係だっだのか?

 

「ペットとしてかまったり、かわいがる感じではなく、ふつうに話しかけていましたね。いたずらもしてましたが、菊ちゃんはいつも父の近くにいるんですよ」

 

’97年、菊千代さんは老衰のため19歳で他界。もうすぐだ、と赤塚さんも感じていたようだが、はずせない仕事のため「帰ってくるまで絶対に待ってろよ」と言い仕事へ。帰ってきたその夜、みんなに見守られながら息を引き取った。

 

「菊ちゃんが死んだときは人間並みのお葬式をあげていました。私はそのとき海外にいたので、写真や映像を見ましたが、参列者はみんな喪服を着て、棺にはお花がたくさん入っていて。あの父なので、ボロボロ泣く感じではありませんが、最後に菊千代を見ている表情は、悲しそうで見ていてつらかったです」

 

赤塚さんにとって菊千代はどんな存在だったのだろう。

 

「同志のような存在だったのかな。菊ちゃんがいたことで、精神的に癒されるところがあったんだと思います」

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