「昨年末、販売員の1人が『売り場に大きなダルマがある夢を見た』と言うんです。高崎はダルマが名産品ですから縁起を担ぎ、彼女の夢どおりに大きなダルマを売り場に置いたところ7億円。夢といってあなどれません」

 

こう話すのは、昨年年末ジャンボで1等・前後賞7億円が出た群馬県「CCイオンモール高崎」の湯舟正樹店長。今年、グリーンで5億円2本、昨年年末は7億円6本。イオンの売り場から億が続出している。なぜ、いまイオンがこんなに強いのか?

 

「家族連れ客が多いイオンのせいか、億の出た売り場は楽しいイベントをやっているのが目立つ」と言うのは、宝くじ研究家の山口旦調さんだ。

 

「兵庫県『赤穂イオンCC』(昨年年末7億円)では、赤穂浪士が討ち入りの際に打ち鳴らしたという陣太鼓にちなんで、太鼓を設置。お客さんに自由にたたいてもらっている。同じく兵庫県『加古川イオンCC』(’11年年末3億円)では販売員手作りの神棚を設け、お客さんが投じたお賽銭を、地元の野口神社に届けて当せん祈願をしてもらっています」

 

また和歌山県「新宮イオンCC」では、売り場に高さ1.3メートルの巨大招き猫を設置。昨年年末はネコのおなかに的を作り、当せん祈願を兼ねた「親子的当て大会」を開催。その直後に7億円が出た!

 

そして昨年年末1等・前後賞7億円が出た北海道「イオン苫小牧店」では、今年2月にこんな出来事が!

 

「友達と2人で買い物に来た主婦が、ついでにと昨年の年末ジャンボ100枚の当せん確認に来たんです。調べたら、その中に1等5億円の当たりくじが!まさか当たってないだろうと、気軽に友人といらしたのでしょうが、絶句して放心状態で、連れの女性があたふた。あの後、2人の間でどんな話になったのか、ちょっと気になります」(運営会社ラッキーゲートの福士徳彦社長)

 

この福士社長は、こんなことを漏らした。

 

「イオン本社は“お客様の声”に敏感で厳しい。『購入時にありがとうございましたがなかった』など、すぐにテナントにも指導が入ります。ですから、自然と販売員の接客レベルが高くなり、常に笑顔の声かけができるようになります。それは全国どこのイオンも同じでしょう。これが福を呼び、億を呼ぶ“原動力”になっているのではないでしょうか」

 

イオニストという言葉まで誕生し、全国に150以上のショッピングセンターを展開するイオン。宝くじ売り場としても注目だ。

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