”草食男子の出現”を的中させた江戸時代の予言書

《今より五代、二百五十年を経て、世の様変わり果てなむ(中略)地、水、火、風の大なる災い起こりて、世の人、十が五は亡び……》

 

これは、江戸時代に流布したとされる幻の予言書『をのこ草子』の一節だ。作者不詳のこの書物。江戸時代から250年後、つまり’80年代以降の日本の姿が描かれていると言われているという。中には、こんな一節もある。

 

《切支丹の法いよいよ盛んになって、空を飛ぶ人も現れなむ。地を潜る人も出て来べし。(中略)死したるを起こす術もなりなん》

 

「この記述は日本の西洋化や、飛行機、地下鉄・地下道の発達、さらに医療技術の進歩を指しているのだと思われます。また面白い記述として、《妻は夫に従わず、男は髪長く青白く、痩せ細りて、戦の場などに出て立つこと難きに至らん》というものがあります。現代日本における“肉食女子”と“草食男子”の、女性上位社会を見事に言い当てていますね」

 

そう語るのは、超常現象に詳しいライターの小川謙治さん。江戸時代の書物としては、かなり的確に現代の世相を予見していたことになる。となれば、気になってくるのが冒頭で紹介した“天変地異”にまつわる記述。小川さんはこう続ける。

 

「とり方によれば、東日本大震災、原発事故もその一つに当てはまるかもしれません。今後は『人口の半分が滅び、厄災が100年間続く』とも書かれています」

 

ただし、と小川さんはこう付け加える。

 

「『をのこ草子』には、『厄災の後に救世主的リーダーが登場し、世の人々を救う』との記述もあり、決して悲観的な終末論のみを説いているわけではありません。予言は解釈次第でどのような意味にもとらえることができるのです。昔の人は後世への戒めとして、このような書物を残したのではないでしょうか」

 

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