地方で暮らすより都会暮らしの方が長生きする理由

 

「2005年の国勢調査の結果を見てびっくりしました。長寿ランキングの2000年の調査では、岐阜、長野など地方の山村地域などが男性では上位を占めていましたが、今回は男性側のランキングで横浜市青葉区に続き、川崎市、三鷹市と都心から電車で1時間ほどのベッドタウンばかりが上位を占めていた。大都市圏で、長寿地域が続々と生まれていたのです」

長寿の秘訣を探り世界中を調査してきた、京都大学名誉教授で武庫川女子大学国際健康開発研究所所長の家森幸男先生は驚きを隠せない。なんと近年『地方より都会暮らしのほうが長生き』というデータが、厚生労働省の調査で明らかになったのだ。

早速、原因を分析したという家森先生。特に男性1位、女性も7位に輝いた青葉区には、大都市ならではの長寿の3秘訣が隠されていたという。

【1】日常生活のなかでの運動

「いま、日常的な運動がNEAT(Non-Exercise Activity Thermogenesis・エクササイズではない熱産生)といわれ、肥満予防に効果的だと世界的に注目されています。エスカレーターやエレベーターを使わない階段の上り下りや、布団の上げ下ろしなどと言った家事労働で生じる運動のことを指すのですが、大都市圏の方は日々の通勤が、自然とニート運動になっていたのです」

【2】食への高い関心

「横浜は古くから港町として栄えた、食文化交流の場所。西洋料理がいち早く浸透し、中華街も近いため、住民はおのずと食に高い関心を持っています。実際、40%の世帯が生協の組員で、アンケートでは食の安全への注目度の高さがうかがえます」

【3】心の健康を保つ

「ある調査によると、夜はきちんと家に帰って、家族で食事をする生活スタイルができ上がっている人が多い。また、地域のつながりも深く、住民はいろいろな地元の活動に積極的に参加しているそうです。こうした人とのふれあいが、心の健康を育んでいると言えましょう」

 

関連カテゴリー: