大地震でも生き残る街「全国ベスト5」公開
現在、迫りくる大地震は首都直下型だけではない。今や日本は東海、東南海、南海のM8級の巨大地震がいつ起きてもおかしくない状況なのだ。そこで、災害危機コンサルタントの堀越謙一さん検証・監修による、大地震が来ても「最後まで生き残る街」ランキングを作成した。
分析方法は、都道府県単位で大地震のリスク分析を行い、相対的に安全性の高い都道府県の上位から15県を抽出。そのなかの市単位で、生活の利便性および建物安全性を分析し、生活水準が高く、木造率や建物の老朽化率から、倒壊、火災延焼の危険性が低い自治体を抽出。最終的に、これらを偏差値化しランキングを作成した。以下に、その「全国ベスト5」の街を公開する。
【第1位 福岡県福岡市】過去に福岡市を中心とする大地震はなく、大きな被害報告もない。非木造率が高く、老朽化した建物が少ないことからも、建物倒壊、火災延焼などのリスクが低い。また人口当たりの店舗数、商品販売数、医師の数も多い。
【第2位 福岡県久留米市】内陸部に位置しており、周辺の地震による影響を受けにくい。また、安全地盤の地域も多く、火山活動などによる被害が小さいと推察される。1000人当たりの医師数や病院、診療所の数が多く、医療面での充実度が高い。
【第3位 山口県山口市】中国地方は全体的に活断層が少ない。とくに山口県は丘陵地帯が多く、地震発生リスクも低いと推察できる。なかでも山口市は、非木造率や非老朽化率が高い。加えて山口市の失業率は低く、経済自体も比較的安定している。
【同3位 熊本県熊本市】熊本県は丘陵地帯も多く、比較的安定した地盤も多い。大分県から熊本県にかけて小規模地震が帯状に分布しているが、これは阿蘇や雲仙などの火山性地震によるもの。医療水準は比較的高く、老朽化率といった建物の安全性も比較的高い。
【第5位 福岡県筑紫野市】丘陵地での住宅開発が行われるなど、地盤が比較的に安定している地域が多い。過去に起きた内陸性地震も少なく、新興住宅地が多いことから、揺れによる倒壊リスクも少ないといえる。ただし、二日市温泉周辺など旧来からの市街地は、道路幅が狭い地域も存在する。