20人に1人が認知症になる「2025年問題」で起こりうるトラブル

先月、WHO(世界保健機関)は、2050年に世界中で認知症が今の3倍の1億1540万人に達する報告書を発表した。

「現在、認知症の患者さんは約210万人ですが、2025年には570万人に達し、そのなかで高齢者が320万人になると予想されます。65歳以下の若年性認知症も年々増加していますので、潜在的にはもっと多くなるでしょう。2025年は認知症問題が転換期を迎える年なのです」

そう語るのは、日本認知症ケア学会副理事長で日本社会事業大学大学院・今井幸充教授。高齢化が進み、認知症先進国でもある日本。”20人に1人”が認知症になるという2025年に起こりうる、転換期とはいったいどういうことなのか。

「全世帯の1割を超える約1千84万人の団塊の世代が75歳以上になる年なんです。’70年代安保の学生運動やバブルを経験した団塊の世代は豊かな日本を味わい、当然、自己主張も出てきます」

いま現在の高齢者は、戦前・戦中生まれの日本の混乱期をたくましく生きた人たちで、周りと協調し我慢ができる世代。そんな世代と団塊の世代とでは、認知症にも違いが出てくるという。

「認知症は感情の自制心がなくなりやすいため、『今、歌を歌いたい』『俺はこれが嫌いだ』と、周りに迷惑がかかると思っても本能や欲動をとめられません。なので、自己主張の強い団塊の世代が75歳以上になる2025年には、一見、ワガママな、自分のニーズを主張するお年寄りがいまよりもさらに増加し、認知症の質が変わる年となるんです」

2025年、それまでの『管理するケア』は成立しなくなり、個人のニーズがある程度満たされる環境が必要になる、と今井教授は話している。

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