ローンはNG派の荻原博子が語る「住宅ローンを借りてもいい人」

「住宅ローン金利の低下が続いていることから、『いま思い切って買ったほうがいいの?』と相談を受けることがあります。でも、焦ることはありません。物件価格はまだまだ下がるはず。というのは地価がまだ下げ止まってはいないからです。なので、いまが底ではないということです。また、デフレ下での借金は、給料が今後あまり上がらないことなどを考えると、借入額の負担が当初より重くなる性質もあります。なので、いまはまだまだ我慢のしどきともいえます」

そう解説するのは経済ジャーナリストの荻原博子さん。ただし、『子供が学校に上がるので』『結婚を機に』……といった、自分のライフサイクルの中で、いま家を買いたいという人もいるはず。そうした人には条件付きで検討の余地があると荻原さんはいう。

「まず、1.頭金をしっかりそろえること。万全な備えとして物件価格の3割が目安。2.ローンを今後も返していくうえで、仕事上も健康上もおおむね問題のないこと。この2つを満たしているなら購入もありでしょう。それから、いったいいくらのマイホームを買うべきか、も肝心です。ただやみくもに、物件を見て回るのは危険です」

最近、注目されている中古物件。だが、あまり築年数を経たものは、いくら安くてもさけたほうがいいと荻原さんは話す。また、自身の年収で検討するのも落とし穴があるという。それぞれのライフスタイルにより、住宅に捻出できる金額が異なるからだ。

「そこで覚えておきたいのが、つぎの法則。『家賃で月に5万円払える人は1千万円借りられる。ボーナス払いで30万円払える人は、さらに1千万円借りられる』ということ。この金額に、頭金や親からの援助などをプラスした総額が、購入価格となります」

そして、大切なことは、3千500万円が購入価格だとしたら、もうそれ以上の物件は内見しないことが鉄則だと荻原さんは語る。

「マンションの営業担当者は『4千万円でも、いまは金利が低いので借りられますよ』と持ちかけてくるかもしれません。そして『金利は1.3%ですから』などといって、低い金利で電卓を叩いて見せられるかもしれません。たしかに返済できる気がしますが、試算は変動金利の数字で出していることも多いので、ここは要注意です」

 

 

 

 

 

 

経済ジャーナリスト
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