『100歳までボケない101の方法』(文春新書)などの著作で知られる順天堂大学の白澤卓二医学博士は、アンチエイジング医療の第一人者だ。その白澤先生が2年前から実践しているのが、手作りジュース生活。長寿に深い関わりがあると、毎日500mlの野菜・果物ジュースを朝食代わりにしているという。先生によると、ポイントは果汁のみを搾るジューサーではなく、丸ごとジュースにしてくれるミキサーを使うこと。そこで今回、ミキサー使いの長所と、最新のジュース・レシピを白澤先生に教えてもらった。

 

「野菜や果物をバリバリ食べるのは大変ですが、ミキサーでジュースにすれば、丸ごと食べるのと同じ栄養素が得られます。また、サラダの場合、ドレッシングなどでカロリーを取り過ぎてしまうこともありますが、ジュースならその心配もありません。さらに週に3回以上、野菜・果物ジュースを飲んでいる人は、週1回未満の人と比べてアルツハイマー病の発症リスクが76%低くなるという実験結果もあるのです」

 

また、皮ごとすりつぶすことで、最近注目の栄養素・ポリフェノールなどの『フィトケミカル』という物質が摂取できるという。フィトケミカルは皮の部分に多く含まれており、がんや動脈硬化、アルツハイマー病の予防に大きく役立つそうだ。さらにミキサーを使うことで、フィトケミカルの吸収もよくなるという。

 

「フィトケミカルは野菜や果物の細胞膜に入っているのですが、ミキサーは、歯で噛んで食べるよりも、細胞膜をすりつぶす力が強いのです。実際に、野菜と果物を噛んで食べた群と、ミキサーでジュースにして飲んだ群とでその後の血中の抗酸化力を測ったところ、後者のほうが高い抗酸化力となることがわかりました。また、ミキサーなら皮むきもほとんど必要なく、調理の手間がかかりません。『時間がない』と朝食を抜くと、昼食後に血糖値が急上昇してしまうので、そんな人ほど朝のジュース生活をおすすめします」

 

【抹茶のアスパラ牛乳】抹茶…小さじ2 アスパラガス…10本 アガベシロップ(またはハチミツ)…小さじ1/2 ぬるま湯…100ml――(アスパラガスは根本を切ってざく切り。なめらかになるまでミキサーにかける)カテキンはアルツハイマー病の原因である脳の老人斑を減少させる働きがあり、ボケ防止効果に絶大。アスパラガスは免疫力をアップし、抗がん作用も。

 

【アボカßドとブロッコリースプラウトのジュース】アボカド…1/2個 ブロッコリースプラウト…60グラム レモン…1/2個 水…320ml――(アボカドとレモンは種と皮をとる。なめらかになるまで)アボカドの脂質に含まれるリノール酸やリノレン酸は動脈硬化を防ぎ、ボケやがん、老化防止に役立つ。ブロッコリースープも栄養密度が高いわりにカロリーが低い。

 

【ナッツミルクとバナナのココアオレ】ナッツミルク…340ml バナナ…1/2 干しプルーン(種なし)…2個 ココアパウダー…大さじ2――(水500mlとアーモンド40gをミキサーにかけ、漉し器でこす。大きな粒が残っていたら、もう一度ミキサーへ。くるみ、ヘーゼルナッツ、カシューナッツでもOK。ばななは一口大に切ってミキサーへ。なめらかになるまで)オメガ3やビタミンEを豊富に含んだナッツ類は認知症、とくにアルツハイマー病防止効果が期待される。ナッツが簡単に取れるナッツミルクを使い、バナナ、カカオと組み合わせることで免疫力アップ、動脈硬化の予防にも。

 

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