「人間の体は120歳まで生きることができる作りになっているといわれますが、長寿の日本人でさえ、80歳くらいで死んでしまいます。それは血流が悪くなった結果、脳や心臓が本来の寿命より早く死んでしまうからです。その最たる原因が、高血圧です」

そう指摘するのは榊原温泉病院・名誉院長の明田昌三先生(73)。そもそも、高血圧のいちばんの原因は中小細動脈の血流の悪さ。現代人の多くが40代には、血管の伸縮が悪くなり、血液の流れる量が減りはじめる。そして、酸素や栄養の不足で細胞が萎縮し、筋肉や関節が動かなくなり……。この悪循環を断つのが、1日10分でできる血管セルフマッサージだ。

「究極の血管若返り法です。”医者いらず”のこのセルフケアだけで、90%の人の血圧が降下しています」(明田先生)

このマッサージで血流がよくなる理由は2つある。血管の周りにある血管拡張神経を刺激すると血管が広がる。皮膚をひっかいたり叩いたりすると赤く腫れるのは、この神経によって毛細血管が拡張されて血流が増えた結果。もう1つの理由が、刺激によって血管の内側にある内皮細胞から発生する一酸化窒素。この一酸化窒素にも、血管をリラックスさせ、血管を広げる作用があるのだ。そんな”血管セルフマッサージ”を明田先生が伝授!

【頭】(2分)

・こめかみ=指の腹や手のひらで押しながら、円を描くようにマッサージ。

・頭の上=頭頂部に両手の指を押し当て、頭皮と頭蓋骨をずらすように前後左右に。

・額=額に両手を当て、皮膚と頭蓋骨をずらすように上下左右に動かす。

・耳=耳たぶの根元をつまみ、鼓膜を動かすようなイメージで動かす。

【手】(左右各1分)

・手の甲と手のひら=手の甲や手のひらは、指の腹を使ってまんべんなくもみほぐす。

・手の指=指の左右の側面を逆の手の親指と人さし指でつまんで、左右にねじるように根元から指先まで位置をずらしながらマッサージする。

【腕】(左右各1分)

・上腕&前腕=皮膚と腕の骨をずらすようなイメージで、腕をしっかりつかんだまま、左右にねじったり、上下にひっぱってマッサージする。少しずつ位置をずらしていく。

【脚】(左右各1分)

・脚の付け根=両方の手の指を脚の付け根(そけい部)に当て、奥のほうまで力がいくようなイメージでぐりぐりもむ。

・太もも&ふくらはぎ=両手のひらで左右からつかみ、筋肉を左右にねじったり、上下に動かすようにしながら位置をずらしていく。

【足】(左右各1分)

・足首=足首の力を抜き、足先を持ってぐるぐる回す。

・足の甲と足の裏&足の指=足の甲や足の裏は、両方の手の指の腹を使ってもみほぐす。足の指は、サイドをつまみ、1本ずつ回したりねじったりする。心臓から最も遠い位置なので念入りに。

【事前リンパをもむと効果倍増】

マッサージを行う前に、鎖骨のくぼみや脇の下、肘や膝の裏をマッサージしておくと、血液やリンパの流れが活発化する。鎖骨のくぼみを指の腹でぐいぐい押したり、脇の下に4本の指の腹を押し当てたりして、血管をほぐすイメージでもむ。

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