ハーバード大学で人気教授になった、福岡県出身の北川智子さん。’09年に、29歳の若さでハーバード大学で教鞭をとるようになると、履修者が2人しかいなかった日本史クラスをわずか3年で250人を超える人気講義にまで押し上げた。そのレアな体験をつづった『ハーバード白熱日本史教室』(新潮新書)はベストセラーに。2冊目の著書となる『世界基準でかなえる私の勉強法』(幻冬舎)を、この2月に出版した。
大学は飛び級して3年で卒業、大学院で理系から文系へ転科した北川さん。現在も1日9冊本を読み、論文に没頭すると2〜3日寝ないことはざらだという。そんな北川さんが、“知恵を開く子育て術”を教えてくれた。
【『ダメ!』と叱るよりもポジティブな代替案を!】
「私は高校の夏休みに好奇心からカナダに短期留学しました。カナダでは最初は失敗ばかりでしたが、Don’t(するな)という考え方を取り払って、Do(する)という能動的な態度に変えていくと、毎日がぐんと面白くなりました。学生世代の子供を支えるご両親は、世の中は可能性と選択肢にあふれていると教え、さらに、失敗したときこそ、『今度はこうしたらどう?』と代替案を提示してあげられたらすばらしいですね」
【母も子も毎日を機嫌よく過ごす!】
「私にとって学生時代の友人ほど大切なものはありません。同級生とその日、何があったかを楽しく語り合うことが授業の復習にもなったし、友人が指摘してくれた私の欠点は、それを見つめることで大きな成長につながりました。親子関係もそうやってご機嫌に、その日の出来事を楽しく報告しあうのがいちばんいい信頼関係の作り方だと思います」
【苦手なことより、できることに全力を注ぐ姿勢が大事!】
「日本の受験勉強の場合は、オールラウンドに点数を取らなくてはいけなくて、『苦手を克服』という勉強スタイルになりがちです。しかし、肝心なのは勉強でもそれ以外でも、没頭できる何かに力を注ぐ環境づくりなのです。時間は有限ですから『これはできない、やらない』と、いい意味であきらめるのも大切です」
【失敗しても挫折しない方法を考える!】
「私はミスを『リアリティ・チェック』という方法で乗り越えてきました。リアリティ・チェックとは、自分がミスをしてしまった要因は自分のせい(内発性)なのか、どうしようもない場面(外因性)に放り込まれたからなのかをはっきりさせ、同じ失敗を繰り返さない状況を作り出すことです。親として、反省を促すだけでなく、リアリティ・チェックの手助けをしてあげることは重要です」
後編に続く