“夢を見るのは熟睡していない証拠”と言われたのは昔のこと。最近の研究で、夢を見るのはごく自然の現象であることがわかってきました。しかし、最近の調査ではストレスまみれの現代人は、よい夢よりも悪い夢を見る人が圧倒的に多かったのです。

 

誰でも悪い夢より、よい夢を見たいと願います。でも、夢って自分で見たいものが見られるの?夢に対する疑問はいろいろですが、未知の分野とされていた夢の世界が今、少しずつ解明されてきました。ここではそんな、さまざまな夢の疑問にお答えします。

 

【そもそも夢って何?人はなぜ夢を見るのでしょう】

通常、一晩でみる夢は1〜2個だと思われがちです。しかし、実は睡眠中にその数十〜数百倍の夢を見ているのです。なぜ、夢を見るかはまだ科学的に不明な点が多いのですが、有力な説として1.無意識下での葛藤の処理、2.未来の予測に基づく行動シミュレーション、3.必要な情報を忘れないようにするための神経処理の際に知覚される現象といわれています。

 

【夢を見るのはよいこと?また悪い夢はどうして見るのですか?】

夢の内容にかかわらず、朝起きたときに夢の内容を覚えているのは、覚醒直前の睡眠状態がレム睡眠の豊富な覚醒準備ができた状態であるためです。これは睡眠が疲労回復を十分にすませたことを示しています。また、悪い夢で目覚めたのは起きる直前に見た夢がたまたま悪い夢であっただけ。悪い夢は嫌な出来事を脳が事後処理している証拠なので前向きに考えて。

 

【夢の途中で目覚めるのはどうしてなの?】

人は寝ている間にたくさんの夢を見ているため、たまたま夢を見ているときに起きてしまうことはよくあります。特に、さまざまなストレスなどで感情の揺れが大きくなっている状態では、交感神経が強く刺激され、睡眠中でも覚醒してしまうことがあります。これが夢を中断した状態と感じるわけです。よい睡眠をとるためにもストレスをためないよう心掛けましょう。

 

【いい夢、悪い夢を問わず同じ夢を繰り返し見るのは?】

自分が経験し、記憶していないことが夢の中に出てくることはありません。夢の中の見慣れない光景や人物も、あなたの過去の経験、記憶から構成されています。以上の理由から、過去の強烈な体験の記憶は繰り返し夢に表われやすく、夢を見ることでさらに反復され、脳に刷り込まれていきます。これが同じ夢を繰り返し見る仕組みです。

 

【加齢とともに夢を見なくなるってホント?】

人は加齢とともに眠れる時間が減少していきます。20代の平均睡眠時間が8時間程度であるのに対して60代の平均睡眠時間は6時間を下回るというデータもあります。睡眠時間が減少するとそれだけ夢を見る量も減り、さらに加齢により睡眠時間が減ると覚醒直前のレム睡眠も出現しにくくなってお年寄りは夢を見る回数が減少するのです。

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