「お中元・お歳暮は一度贈ったら相手との関係性が変わらない限り続けるのが習わしです。一般に品物は食料品や日用品が多く、相手の家族構成などを考えて選ぶようにします。贈る相手が喪中の場合も、感謝の気持ちなので贈ってもかまいませんが、派手な包装は避けます。贈る側が喪中(忌中)の場合は、贈るのは控えます」

 

こう話すのは『清紫会 新・作法学院』学院長で、『冠婚葬祭・おつきあい 大人のマナー事典』著者の近藤珠實先生。お付き合いで実はいちばん悩むのが大人のマナー。“お歳暮・お中元の平均金額は?”“お歳暮・お中元は両方贈らないとダメ?”……。そこで、今流のお歳暮・お中元のマナーを近藤先生が教えてくれた。

 

【お歳暮・お中元の平均金額っていくらくらい?】

「お歳暮なら3,000円〜4,000円。お中元なら2,500円〜3,000円くらいが平均金額。お世話になった方に感謝の気持ちを込めて贈る場合と、季節のご挨拶として親しい方に贈る場合があります。1回限りにしたい場合は、のし紙の上書きを『お礼』『感謝』などにして、感謝のメッセージカードを添えます」

 

【頂いたら、お返しは必要?】

「お歳暮・お中元にお返しは不要ですが、お礼状を送るのがマナーです。『お礼は3日以内に』という言葉があるように、早く出すことが大切です。品物で返すよりも、お礼の気持ちをいち早く伝えることが何よりのお返しとなります」

 

【仲人さんには一生贈り続けるものなの?】

「昔、仲人さんと結婚後の夫婦は一生を通してのお付き合いでしたので、ずっと贈り続けるものでした。ですが、最近はほとんどが『頼まれ仲人』なのでお歳暮・お中元は3年まででOK。ただし最後のお歳暮を贈る際は、『式の際には大変お世話になりました。おかげさまで夫婦円満に暮らしております』といった旨の手紙を添えるか別送にするとよいでしょう」

 

【お歳暮・お中元は両方贈らないとダメ?】

「もしどちらかにしたいのなら、1年の区切りとしてお歳暮を贈るとよいでしょう。お歳暮は1年間お世話になったことへの感謝と、来年も変らぬお付き合いを願う気持ちを込めて贈るものです」

 

【上司が異動に……そろそろやめたい】

「贈る相手との関係が変化したようなときは、続けるのが不自然な場合もあります。辞めるタイミングは、会社の上司なら本人や自分(夫)が異動や転勤になった場合。だた、その年のお歳暮でスパッとやめるのではなく、翌年もう一度お中元の時期に贈ります。そのときに、これまでの感謝の手紙を添えれば、相手に失礼にはならずに、やめることができるはずです」

 

心の伝わるマナーを身につけるようにしたい。

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