ツービートならビートたけし、雨上がり決死隊なら宮迫博之、バナナマンなら設楽統……お笑いコンビを見ると、その片方だけが俳優として活躍する印象を受ける。なぜか?

 

お笑い評論家で江戸川大学准教授の西条昇さんは、その理由として「第一に、コンビの方向性が違ってくるからでしょう」と分析する。

 

「コンビでも突っこみ担当は、バラエティ番組では自分の“しゃべり”で笑わせていく人が多いです。一方、ボケ担当は、天然の場合は別ですが、演技の中に自分の味を生かしていく人が多いですね」(西条さん・以下同)

 

その代表が北野武(ビートたけし)だと西条さんはいう。

 

「’83年、ドラマ『昭和四十六年 大久保清の犯罪』(TBS系)で、連続誘拐殺人の犯人を演じました。漫才でボケを演じるときと、シリアスなドラマの犯人役というギャップが、よけいに凄みを感じさせました。彼の場合、修羅場をくぐってきたタイプを演じると、その存在感が際立ってきます」

 

ただし、芸人としてのキャラクターが強すぎてしまうと、ドラマの役を演じにくくなるという。

 

「芸人は、芸人自体というキャラを、テレビの中ですでに演じているわけです。そのキャラが強いと、ほかの役を演じても、見る側が芸人の印象に引っ張られてしまうのではないでしょうか」