「この漁船クルージングは今年で4年目になります。7〜8月の底曳き網漁の休業期間を利用して開催しています。体験者アンケートの90%以上が『楽しかった』という回答で、大評判です」

 

そう語るのは、山形県鶴岡市の鼠ヶ関地域振興協議会「蓬莱塾」事務局長・五十嵐一彦さん。実際に底曳き網漁をしている漁船に乗せてもらえる「漁船クルージング」は、生のイカを自分でさばいて、船上でイカの「一夜干し」を作る体験イベント。さらに、漁船上でカモメの餌付けができることでも人気を呼んでいるのだ。

 

まずはイカのさばき方を教わる。マイカの腹と足を切り裂き、両目をくりぬき、内臓を取る。簡単な工程なので、子供でもできそう。そのイカを持って目の前の港に移動し、15トン船に乗り込む。ライフジャケットを来て、自分でさばいたイカを“のれん干し”したら、いよいよ出港!

 

「波が高いと船が揺れるから子供たちが喜ぶ。大人はグロッキーになるんだけどね(笑)。空腹や寝不足の人は酔いやすいから気を付けて。この漁船クルージングは、8月の夕方がおススメ。日本海に沈む夕日がキレイなんだよ」

 

と飯塚厚司船長。10分ほど船を走らせたところで、船長がバケツを取り出した。

 

「今日のカモメの餌はアジとヤナギノマイという魚。観光地ではスナック菓子などをカモメにあげるけれど、漁船だから生の魚を使うことにこだわってるんだよ。カモメは人間と目を合わすのが怖いからか、前からはこない。後ろから魚を狙ってくるから、手をしっかり伸ばして」

 

船長からアドバイスをもらい、魚を受け取る。どんどん集まってくるカモメたち。距離が近く、すごい迫力だ。正直、ちょっと怖い……。でも、なんとか直接カモメに餌を食べてほしい。伸ばし続けた手が痛くなってきたところで、後ろからカモメがやっと魚をキャッチ!やったぁ!

 

約40分間のクルージングを終え、干したイカをもって下船。自分でさばいたイカなんだという達成感もしみじみ。これで大人3000円(3〜12歳は2000円)なら安いものだ!

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