週末の大行列は当たり前、今や外食業界屈指の人気店、回転寿司チェーン。どこも大人気だけど、本当に「ちゃんとお寿司している」のはどのお店か!?食品業界歴35年、「食品安全教育研究所」代表の河岸宏和さんに、そのチェックポイントを教えてもらった。

 

《酢飯が甘すぎないかor酸っぱすぎないか》

「寿司の良しあしの基本は酢飯にあります。概して回転寿司の酢飯は甘い。これは砂糖を多く入れることで酢飯の状態が安定、長時間、変化しにくくなるからです」(河岸さん・以下同)

 

《醤油差しの“口”が大きすぎないか》

「醤油差しの口が大きいと醤油がいっぺんに出やすく、それで寿司の味をごまかしやすいんです。その点、ワンプッシュ式は1度に出る量が決まっているので良心的」

 

《卵焼きの色が薄すぎないか》

「卵焼きの単価を下げるために食品業界で行われるのが、黄身を間引きして別の用途に使う『黄身抜き』です。たとえば卵10個で2個分の黄身を抜けばそれだけ安くできる。ときどき見かける白くて緑がかった卵焼きは、典型的な黄身抜きです」

 

《鉄火巻きのマグロが“さく”から切ったものか》

「素人がその寿司屋の実力をいちばん確かめやすいのが鉄火巻。本来、鉄火巻というのは、マグロのさくから細長く1本を切り出して、それを酢飯と海苔で巻くもの。ところが、最近はちがう店も多くなっているんです。開いてみれば、すぐに分かります」

 

《かっぱ巻きのきゅうりの大きさは》

「スシローとくら寿司は、ライバル店を連想させるからとわざわざ『きゅうり巻き』と呼んでいます。自分の名前を冠しているだけあってか、かっぱ寿司のきゅうりは1本ごろりと入っていて気持ちいい。本格寿司店並みです」

 

《マグロが筋と垂直に切られているか》

「通常マグロは店内でカットしていると思います。マグロは筋に垂直に包丁をいれると身に負担がかからずおいしくカットできる。酢飯の上のマグロを見て、長い辺と垂直に筋が入っていれば、マグロをわかった人が切っていると思っていいでしょう」

 

《イカの表面に切れ目があるか》

「イカにはアニサキスという寄生虫がいるので、安全のために、細かく切れ目を入れる必要があるんです。ただ冷凍すればアニサキスは死滅するので、切れ目を入れる必要はありません。つまり切れ目の入っていないイカは冷凍品の可能性が高い」

 

最後に河岸さんは、こんな提言をしてくれた。

 

「子供のためには、100均寿司に行く回数を減らし、3回に1回は本格的な寿司店に連れて行ってあげてほしいですね。大人は100均寿司の味と認識しながら食べることができますが、子供は違います。これを寿司の基準として覚えさせるのは避けたいですね」

 

行きつけの回転寿司の“本格度”、この機会にぜひチェックを。

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