「写経や坐禅体験はプチ修行。自分と向き合う時間を持ち、ニュートラルな自分に戻ることができます。仏教は心の悩みを正面から見つめる教えです。お寺に足を運んで、お坊さんの話を聞けば、悩み解決の糸口が見つかるかもしれませんよ」

 

そう話すのは、テレビ朝日系でオンエア中の『お坊さんバラエティ ぶっちゃけ寺』(月曜夜7時〜)でもおなじみ、浄土宗光琳寺副住職の井上広法さん。「お寺」と聞いて思い浮かべるものは何だろうか。多くの人は「お葬式、お墓、法要」などと答えるかもしれない。しかし、最近「お寺といえば瞑想だよね」とか「写経はけっこうやってます!」などという“寺活女子”が増えている。

 

「お寺に注目が集まっている理由は、大きく分けて2つあると思います。1つは、やはり心のよりどころを求める人が増えてきていること。ただし“なんとなく癒される”ということではなく“ちゃんとコンテンツがあるところ”が求められているような気がします。つまり、坐禅や写経などですね。ふんわりしたスピリチュアルではなく、古来よりあるしっかりしたソフトに信頼感があるのでしょう」(井上僧侶・以下同)

 

もう1つが、“超宗派仏教徒によるインターネット寺院”の登場だ。

 

「お寺には宗派があり、修行の仕方や仏教の捉え方も異なります。今までは宗派を超えて話をする機会はほとんどありませんでしたが、インターネットの普及により、全国で同じような意識の人たち、つまりお寺の未来を考える若い僧侶たちがつながり始めたんです。これは『彼岸寺』という“超宗派仏教徒によるインターネット寺院”の登場により急激に変化が起きました。仏教界の突然変異です」

 

井上僧侶は、「『彼岸寺』のサイトを初めて見たときは衝撃でした」と語る。

 

「宗派を超えてリベラルでセンスがよく、アイデアも豊富でWEBも使いこなしている。こんな僧侶たちがいたのか、と。これこそが、お寺の未来を担うのだという感覚です。そして、私は彼岸寺の松本紹圭さんが始めた『未来の住職塾1期生』となったわけです」

 

お寺は全国に7万7千あり、コンビニの数よりも多いといわれている。かつては寺子屋が学びの場所であったように、本来は地域のコミュニティであるべき場所。ところが「お寺って、入ってもいいんですか?」という人もいるほど、世間ではなじみのない場所になっていることに井上僧侶は驚いたという。

 

「われわれは、運営という視点からもお寺の未来を考えなければなりません。でもそれだけでなく、もっとお寺の面白みを伝えたい。だからITを使って、さまざまなプラットホームを用意することで、みなさんが仏教に触れる機会を増やし、気軽にお寺コンテンツに接点を持てるようにしたいと思っています」