NHK連続テレビ小説『まれ』の舞台となっている石川県能登地方の輪島市。世界農業遺産にも登録された「里山里海」の豊かな自然と、温かな人々。とりわけ、ドラマロケ地の美しさが今、注目を浴びている。
まれが暮らした外浦村こと「間垣の里」大沢町。まれたちを家族のように受け入れた桶作文(田中裕子)と、元治(田中泯)が精魂こめて製塩する奥能登の塩田。圭太(山崎賢人)が目指す輪島塗の塗師屋の工房……。そんなまれになった気分にひたれるロケ地をご紹介。
琴ヶ浜海岸から車で20分ほど走ると、ドラマと同じ間垣で覆われた集落が見えてくる。大沢町だ!「ようこそ間垣の里へ そとら村」と、ドラマで使われた外浦村役場の壁画も目に飛び込んでくる。漁港ではまれの登ったやぐらを発見!近寄ってみると意外に大きい。足場がないので登れないのが残念!
ボランティアガイドの山田祥子さんはなんと桶作家のモデルとなった「民宿桶作」の家主。人口182人の町全体でロケに協力し、炊き出しも5〜6回したという。
「まれちゃんは、菜っぱのごまあえを3杯おかわりしました。元治さんはお祭りの後、大吟醸を差し入れてくれて。休憩中はこの公民館の和室で、よくお昼寝をしてましたよ」(山田さん)
千200年以上続く輪島の朝市は「買うてくだぁー」の叫び声からはじまる。これは平安時代の物々交換の市が起源といわれ、売り手が座る場所は、親から子、子から孫へと何代も引き継がれてきた。
この朝市で売り子をしたまれ。まれのアルバイト先「朝市食堂まいもん」は、この朝市通りから路地を少し奥に入ったところという設定だ。値札がなく、交渉次第で値段が決まるのもおもしろい。
朝市を抜けてすぐ、河原田川に架かるいろは橋へ。この橋は、まれと圭太が学生時代にいっしょに渡った橋。輪島塗カラーの朱と黒をイメージして造られた橋から川の下流を眺めてみると、空飛ぶカモメが。
それもそのはず輪島港がすぐ近くにあり、橋を渡ると輪島大祭のロケ地となった鳳至町の住吉神社も鎮座している。ちなみに、まれが圭太に告白された「みなと橋」は現在工事中。残念!
最後に訪れたのは珠洲市にある「揚げ浜塩田角花家」。塩田作業の指導を行ったのは5代目角花豊さん。角花家は江戸時代から400年以上続く、日本最古の製塩法を守り続け、平成20年に「能登の揚げ浜式製塩」は国の重要無形民俗文化財に指定された。
“能登や優しさ土までも”を実感したロケ地巡りの旅。さあ、あなたも、まれに会いに出かけてみませんか?