10年以上、入金や出金などの取引がない預金口座を「休眠口座」と言う。その休眠口座のお金が、来年から国の社会事業費に充てられることになるという。何年放置しようと、銀行預金は自分の財産のはずでは? 経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。

 

学校指定の金融機関で作った口座が子どもの卒業後もそのままだったり、引っ越し前に使っていた金融機関が遠くなって放置してしまったり休眠口座をお持ちの方は案外多いのではないでしょうか。

 

元来、何年放置しようと、銀行預金は自分の財産です。しかし来年1月からは、休眠口座の一部を国が管理し、社会事業費として活用することになりました。詳しく見ていきましょう。

 

国が活用するのは、預金者が特定できない休眠口座です。それを見極めるために金融機関は、休眠口座になる可能性のある、9年以上入金のない口座のうち、残高が1万円以上のものに、通知を郵送します。

 

その通知が届いた方は、預金者と連絡がついたということで、休眠口座であっても国の管理にはなりません。宛先不明などで通知が届かなかった休眠口座を、国は活用しようというのです。

 

また、残高1万円未満の休眠口座は郵送通知なしで、国が管理する休眠口座になります。

 

ですが休眠口座になっても、預金者が気付いた時点で銀行に申し出れば、いつでも、出金や解約が可能です。通帳やはんこなどを持って銀行に行きましょう。確認に時間がかかることがあるので、電話連絡して行くといいと思います。

 

通帳やキャッシュカードをなくした方も、問い合わせてみてください。身分証明証などを持参すれば、手続きできることが多いです。

 

ただ、いつでも出金できるとはいえ、来年以降は、社会事業費に活用する休眠口座は、銀行から国の機関に移されます。そうなると、今よりもっと手続きが煩雑になり、時間がかかると思います。休眠口座の手続きは、今年のうちに済ませてしまいましょう。

 

困るのは、引っ越しなどで休眠口座のある金融機関が近くにない場合です。電話をかけて、ほかの金融機関で手続きできないか、相談してください。ただし、ほかの金融機関で手続きする場合は、1,000円程度の手数料がかかることがあるので、注意してください。

 

休眠口座は、毎年約700億円ずつ増え、’08年以降の総額は6,000億円を超えるといいます(’18年・金融庁)。この資金の一部を、子育てや生活に困っている人などを支援するNPO法人などの活動費に充てる法律が昨年施行されたのです。

 

いっぽう、ゆうちょ銀行は、民営化前の’07年9月30日以前の定額郵便貯金、定期郵便貯金、積立郵便貯金は、満期を過ぎて20年2カ月たっても払い戻し請求がなければ、権利が消滅し没収されます。あとから気付いても満期金は受け取れませんから、早めに最寄りのゆうちょ銀行で確認してください。

 

この機会に、銀行口座を整理してみませんか。使っていない口座は解約して、メインバンクにまとめると、お金の流れが把握しやすくなりますよ。