あなたが少し考え方を改めるだけで、ちょっと習慣を変えてみるだけで、貯蓄のスピードが劇的に早くなるかもしれない。200人以上の億万長者に会い、ベストセラー『お金持ちの教科書』などを著書に持つ経済評論家の加谷珪一さんは、“お金持ち”には共通する習慣があると話す。
「いままで数多くの“お金持ち”を見てきましたが、彼・彼女らには共通点が多くありました。そのひとつが、買い物や時間を使うといった日常の習慣を『消費』なのか、『投資』なのかで分類していること。『~が欲しい』という欲求で買うのが『消費』、収入につなげるためのツールとして買うのが『投資』です。あなたもその分類を念頭においたうえで、『投資』に比重を置いてみてください。これだけであなたの買い物の仕方や時間の使い方が劇的に変わるはずです」(加谷さん・以下同)
加谷さんが今まで見てきた実例をもとに、そんな“お金持ちの習慣”を解説してくれた。
【買い物の習慣】
例:50代専業主婦のCさんは節約上手を自任している。スーパーを複数まわりセール品しか買わないし、トイレットペーパーなどの日用品も安値のときに買いだめしている。もちろん、食費も切り詰めていて、食卓に牛肉が並ぶことなんてめったにない。
「とにかく1円でも安いものを、と街のスーパーを駆け回るのは自己満足。時間の“消費”です。それよりも、インターネットであらかじめ安いところを調べて、買いに行くほうがベターです。それほど必要としていない商品であれば、検索している間に買う気がうせますし、買うものと買う店を決めておけば、余計なものを“ついで買い”することも少なくなる。ついで買いこそ、セールをする店が狙っていることなんです」
また、いくら安くても、日用品を大量に買いだめするのはNG。
「一生買い続けるものですから、いっときに数カ月ぶん買いだめをしたところで、一生の消費量からみれば、節約できる額は雀の涙。また、手元に大量にあることで、無駄遣いしたり、使いきれなくて廃棄してしまったりすることも」
食費を無理に削るのもよくない。
「高級レストランに頻繁に行っていたり、高い食材を買いあさっている場合は別ですが、食費を切り詰めても大きな節約にはつながりません。その割に、心身ともに大きなストレスがある。同様のことは光熱費にもいえます」
確かに暖房をケチって体を壊したら、意味がない。見直すべきは、家計に占める4つの大きな支出「家、車、保険、教育」だという。
「車を持たずにカーシェアやレンタカーを利用することも大きな節約につながります。また、子どもには子どもの人生があるわけですから、教育費も『ここまでしか援助できないよ』と教えるのも、教育のひとつだと私は考えています」
お店を回る暇があるなら、ネット検索を! 日用品の買いだめ、食費の切り詰めは大きな節約にはならないと心得よう。