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「お金が貯まらない人は“今”を優先するタイプ。そういう人は家計簿ではなく、手持ちの手帳に家計の支出を書いてみてください」

 

そう語るのは、生活経済ジャーナリストの和泉昭子さん。手帳で家計管理をするメリットをこう解説してくれた。

 

「手帳は外出先にも持ち歩くので、すきま時間で記録できます。さらに、週単位や月単位で、何にいくらお金を使ったのか、すぐに振り返ることができるんです。だから“ずぼらさん”にこそ、手帳を家計簿代わりに使うことをおすすめしています」

 

特別な手帳を購入する必要はない。今、あなたが使っている手帳でも、いくつかのルールを守れば、“お金持ち手帳”に早変わりする。

 

「まずは、年間カレンダーに、わかる範囲で予定を書き出してみましょう。毎年時期が決まっている帰省や旅行、家族の誕生日などのイベントを書く。そこに、予想される支出も書いてください。さらに、家賃の更新や税金の支払いなど、すでに予定されている出費やボーナスなども書いておくと、見通しが立てやすくなります」

 

こうして1年間を俯瞰してみると、お金の流れを調整しやすい。お金を貯めるには、あらかじめ決めた金額を貯蓄に回して、残りの金額で予算を組むというのが、“和泉流”だ。

 

「まず、収入から、貯蓄に回す目標額を引きましょう。さらに、毎月必ずかかるお金も引きます。たとえば、家賃や光熱費、子どもの学費などです。以上を引いた残りのお金が“変動費”。その月の“予算”です」

 

この予算の範囲内で生活をすることができれば、目標の金額を貯蓄することができる。

 

今回、“ずぼらな人”用と“もっとずぼらな人”用に、2タイプの“お金持ち手帳”の使い方を教えてもらった。まずは、週ごとのスケジュール表を使った“ずぼらな人”用の手帳から。

 

月の予算を週で分割すると、週の予算を導き出すことができる。それを毎週のスケジュールの空欄に書いておく。さらに、習慣にするといいことが……。

 

「よく行くスーパーのポイント倍増デーや、冷凍食品が安い日、セール日も、知った瞬間に手帳にすかさずメモしてみてください。行こうと思っていたのに、気がついたら終わっていたという経験がある方は多いと思います。でも、この習慣を身に付けておけば、逃すことはなくなります」

 

支出額を書くのは、1日が終わった後にまとめてでも、お金を払った直後でも構わない。

 

「ランチ代○○円、スーパー△△円のように書いていきます。その際、商品名やそれぞれの金額など、支出の内訳を細かく書かなくてもいい。また、端数まで書く必要もありません。暗算できる程度のざっくりとした金額でOKです。1日が終わったら、その日の支出の合計金額をわかりやすい場所に書いてください。また、無駄遣いや衝動買いをした日、イタい出費だったと感じた日には×を付ける。余裕があれば、余白に感想も書きましょう」

 

金額を書くだけなので、1日30秒ほどしかかからない。そして、週1度だけでいいので、お金の使い方を振り返る時間を作り、週の支出が、予算内に収まっているかを計算しよう。

 

これを1カ月を目標に続けてみてほしい。後になって見直せば、×が付く日の共通点がわかるはず。

 

「同じドラッグストアに通っていたり、子どもの送り迎えの後に必ずコンビニに寄っていたなど出費のクセが見えてきます。これを改めるだけで、無駄な出費を減らすことができます」

 

×が減っていけば、改善しているサイン。予算額を支出額が下回る黒字の週が増えているはずだ。そうなれば、月の貯蓄に回す金額を増やすことができる。収入にもよるが、“お金持ち手帳”によって行動を改善することができれば、月2万円の節約も夢ではない。

 

和泉さんが使っている手帳は、1日の予定や行動を時間ごとに書き込めるタイプ。

 

「支出の記録を時間軸にメモすれば、“お金を使いがちな時間帯”まで細かく把握できます。私の場合、仕事柄出張が多いのですが、飛行機や新幹線のちょっとした待ち時間に、とくに必要のない買い物をしていたことに気づき、改善することができました」

 

金額を書くことすら面倒くさい“もっとずぼらな人”は、もはや◯と×だけでもいいという。そういう人は月ごとのスケジュールを活用するのがおすすめだ。

 

「いい買い物ができたとか、節約できたと思う日には、◯を付けます。逆に無駄遣いをした日には×を付けるだけ。続けていけば、“生理の前後に×が多いな”とか“給料日の後に×が増えるな”とか、無駄遣いの傾向が見えてくるはずです。金額を書かなくても、×の原因を探ることで、行動を改善することができるんです」

 

また、×が多い週は翌週◯が増えるように努力するなどして、月の支出を調整することもできる。

 

家計簿をつけ始めるたびに、“三日坊主”となっているそこのあなた。“お金持ち手帳”で家計を改善しましょう!

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